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【相場雑感】今回の急落について

今回の急落。
まぁ色んな要因が複合的に重なったというところでしょう。

中国懸念
中国の景気後退→株価急落→政治介入も天津の爆発などもあり歯止めがかからなくなった。

米国動向
9月にも予想されている利上げ。
過去にQE終了前は大なり小なり調整を入れてきた米国市場。利上げ予測を前に調整に振れやすい状態だった。

商品市場の下落
原油価格などの商品市場も大きく下落しており、それまでの下値抵抗ラインを大きく割り込むような下落局面に入っていた。

朝鮮半島での緊張の高まり
北朝鮮の潜水艦が50隻も消えたとの報道もあり、懸念が強まった。でもこれは今朝で後退。

需給的な要因
20000円割れを買っておけば儲かるというパターンを繰り返していたこともあり、その水準では「安易な」押し目買いを入れがちだった。そこを一気に突き抜けたことで下値不安が急激に高まり、パニック的な売りにつながった。
GPIFのリバランスによる株買いも一巡しており、需給的なサポートが弱い。

国内の政策的な対応力の低さ
市場に大きなサプライズをもたらした黒田バズーカ第二弾。出し惜しみすることなく…のコメント通り、金融政策において出来ることは限られつつある。円安も急激に進行したため、米国での利上げが予測される状況では思い切った金融緩和追加策は難しい。
安保法制問題で安倍政権の支持率が低下しており、アベノミクスの持続性への懸念が台頭。消費税率引き上げへの懸念もある。

指数のマジック
GPIFの株買い、インデックス運用の拡大はFリテの株価などに大きな影響を与えて日経平均株価はかなり押し上げられてきた。需給的な要因によって過剰に押し上げられてきた日経平均は特に反動が出やすい。

株価と実態経済
景気は確かによくなっていたが、国民の多くはそれほど生活がよくなったと感じていないのに株価だけは上げ続けてきた。今はその歯車が逆回転。景気はそんなに一気に悪くなるわけではないのに株価は急落している。株価は景気に半年ほど先行すると言われているし、これから景気への懸念も高まるかもしれない。でも実態経済から乖離した過剰な動きであることは確かだ。

おそらく今日も追証が発生しまくるので、売らざるをえなくなった投資家からの投げは出るだろう。それに巻き込まれるのではなく、そこを拾っていくスタンス。
信用取引でこのボラタイルなマーケットには耐えられない投機的なリスクを取っていた投資家の投げを腰の座った投資家の資金が買っていく動きになるだろう。

焦らず慌てず、値動きに振り回されず。
振り回された人達の売りを拾う側に回ること。
需給的な要因によって過剰な急落をする局面は業績のいい優良銘柄をバーゲンハントするチャンスでもあるのだから。
当然、マーケットはボラタイルな動きになる。
そのブレに耐えられるようにリスク量はコントロールする。
それが出来るか出来ないかが大切だ。

さぁ気合いいれていこう!
といっても俺はみんなを信じて見守るだけなんだけど(笑)
プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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