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【ビジネス】取引所と証券会社は利益相反?

夜間市場はある意味残念でしたね。
一部の市場参加者であれニーズがあるのなら、建設的に議論を進めてほしかったのですが…。

http://toyokeizai.net/articles/-/54375

「市場の活性化」という大義は共有できるはず。
「誰のために」「誰が望んでいるのか」を共有するプロセスが十分ではなかった気がする。
呼値適正化も「誰のために」がよく見えなかったけれど、逆に夜間市場については市場参加者のニーズは一部とはいえ必ず存在していたはず。
主市場とは切り分けてそういった市場参加者のニーズに応えるための補完市場という位置づけで進めていくべきことだったんじゃないかな。
対面営業や国内機関投資家にニーズが十分になかったのは確かだと思う。
そしてそういった顧客を中心に仲介している証券が反対し、サラリーマン投資家や一般の個人を幅広く仲介しているネット証券が賛成。
自らの顧客にニーズがないのなら対応しない選択もありだと思う。
でも一部とはいえ市場参加者にニーズがあるのなら、何らかの形でそういったニーズに応える努力をすることが取引所と証券会社の責任であり使命であると思う。

「大変だからやらない」
「コストがかかるからやらない」
それらはあくまで証券会社側の都合。
顧客の都合が優先されるべきだし、自社の顧客にニーズがないからといってそのニーズを感じている証券会社までが巻き込まれ、そこの市場参加者が得られたかもしれない取引機会を奪われるのは本筋としては間違いだと思う。
仲介業者である証券会社の都合ではなく、一部にでも市場参加者のニーズがあるのならそれが優先されて議論を進めるべきだと思う。

・どうすればコストを最小限におさえながら実現できるかを業界全体で前向きに議論していく
・どうすれば主市場や健全な価格形成に悪影響を及ぼさないような制度が作れるかを考える

そのうえで対応する会社、しない会社があってもいいと思う。
市場参加者に選択する権利はあるのだから。
あくまで主市場の価格が翌日も優先されるような仕組みであればそこに取引機会を作ること自体は悪い話ではない。
呼値適正化でかなり強引な進め方してしまった反動もあるかもしれないけど、取引所と証券会社は決して「利益相反」の関係ではないはず。
市場参加者のために何をすべきか考えていく。
そして市場が活性化されることこそが共存共栄の道なのだから。

【ビジネス】シンガポールでの暮らし、仕事

シンガポール二日目。
到着が週末だったこともあって、昨日はビジネスというよりはこちらの友人達と過ごした楽しい時間でした(^_^)

昼は友人のコンドミニアムのBBQスペースでいくつかのご家族とのBBQを楽しみ、夜はかつて共に切磋琢磨した友人達との食事でした。

若手の頃に机を並べて必死に頑張った仲間。
それなりのプレーヤーになってから、共に刺激し合い、ライバルでもあり友人でもあった仲間。
今もこうしてこの地でヘッジファンドとして活躍している彼ら。
うれしくもあり、刺激も沢山もらいました。

家賃が高くなったり、物価も高くなったり、教育も高い。
そしてこの円安…。
1シンガポールドル=60円だった頃と90円にも達している今では日本人から見た暮らしやすさは全く変わってしまっています。
でも決してこちらで暮らすのが大変というわけでもないかな。

自分が暮らしていた頃はまだ円高だったし、一人で暮らしていたので医療や教育、生活という面ではあんまり気にせずに過ごしていました。
奥さんの目線から色んなお話聞けたのはよかったですね。

一通り会食を終えて…
カメラを片手に少しばかりホテルの周りを散策していたら、なんとなくこっちに戻ってきたくなっちゃいました(笑)

さぁ今日はビジネス・ミーティングがビッチリと。
前へ前へ。

【ビジネス】シンガポールより

4,5年振りにシンガポールに来ています。



住んでいたその頃と違って、建設中だったマリーナベイサンズも、その周囲も綺麗になっていて様変わりしていました。



住んでいたコンドミニアム「The Sail」です。
60数階建てだったと思うのですが、内覧したときにあまりにも落ち着かないので20階ぐらいの部屋にしてもらったのを覚えています。





しかし、羽田でシンガポールドルに交換してもらったんだけど、レートが95.63円(-_-;)
物価高も相まって日本人からみると「高い」という印象はぬぐえませんね。
ま、この円安ではどこにいっても同じかもしれませんけど(^_^;)



さて今回は観光ではなく、仕事での出張です。
とはいえ着いたのが週末なので、今日はこちらの知人・友人たちと会える一日です。
久し振りに会えるのが楽しみです♪


【マーケット】ハロウィン・バズーカ、国会解散…うーん

なんか違和感があるこの相場。
正直、「やりすぎ」に思える日銀の金融緩和。
政治の停滞。
消費税引き上げ先延ばし→景気悪化回避(財務体質改善の遅れ)
日銀が買って、年金が買う。
GPIFの株式比率は日本株比率ばかりがクローズアップされるが、海外株も加えると50%を超える。
すでに半分を超える金額を株で運用すると言っているのだ。
日銀の黒田バズーカもこのまま資産膨張を続ければ一年ほどで日本のGDPの7~8割近くに達してしまう。
年金や日銀の限界が見えたとき、恐らく市場は暴走し、それを止められる人はいなくなるだろう。
世界3位の経済規模の国が混乱をきたしたとき、世界経済に与える影響は計り知れない。
デフレは苦しかったが、新興国の台頭、安い労働力がそこにはあり、そこで安く生産されたものが流入してくれば自ずと物価は下落バイアスを受ける。そして雇用が新興国に流れた分、日本の産業は空洞化し、製造業においての雇用は悪化する。
本来、解決しなければならないのは製造業、サービス業、金融業…様々なビジネスが日本で行われるようにし、資本の日本への回帰、活性化、雇用の拡大を実現して、この国をビジネスの場として国際競争力を高めるこだ。
この国の病巣を取り除き根治させるのは「政治」でなければ出来ない。
日銀が国の借金肩代わりして(国債購入)、株買って(ETF購入)、不動産買って(REIT購入)、年金にまで株買わせて…そういったやり方で、株価を押し上げる、行き過ぎた円高を是正させるというのは対症療法としては理解できる。しかし、それだけでは薬漬けにして表面的な改善を示しているだけ。確かにそれによって一部動き出すものもあるだろうが、それは高熱の患者に解熱剤を投与して食事を取れるように体力を回復させているだけだ。
根本的な病巣を改善させない限り、病気は治らない。薬の投与を止めればあっという間に悪化し、薬の効き目も悪くなる。そして今回のハロウィン・バズーカは明らかに過剰投与だと思う。それにより過度な円安などの副作用を招き、結果として国民の暮らしは悪化しかねない。
日銀や年金などにリスク資産を買わせることでこの国が良くなると思うなら大きな間違いだ。
政治がやるべきことをやり、国際競争力の回復をしっかりと推し進めることが出来ていなければ、いつか日銀の信認が揺らぎ始める。
そのとき市場はコントロール不能に陥るだろう。
それは何年も先かもしれないし、そう遠くない未来かもしれない。
そうならないためには政治が機能することが何よりも重要だと思う。
このところ聞こえてくるのは、うちわだ観劇会だのという足の引っ張り合いから、消費税の話ばかり。法人税はどうなった?規制緩和とか第三の矢は?
そしてこの年末押し迫った中での解散話。
政治家は大騒ぎする。
選挙で負ければただの人だから。
でもあなたが政治家でいられるかどうかよりも、この国の未来を真剣に憂い、良くしていくためにこそ懸命であって欲しいと思う。
短命観測くすぶる第2次アベノミクス円安 http://s.nikkei.com/1GTBcz4

【ビジネス】初コメンテーター

これまでもCNBCやBloombergTVなどで何度かTVには出させていただきましたが、今回初めて「コメンテーター」として出演させていただきました(^_^;)
いちプレーヤーだった頃は基本的にはメディアはお断りしてきたのですが、部長という立場になり、マーケットで自身のポジションを持つことがなくなったのでこういったお話もお受けすることが増えています。

自分では見ていないのでうまく喋れているかは分かりませんが、お暇なときにでもご笑覧ください(^_^;)

http://www.ustream.tv/channel/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB?utm_campaign=JPER&utm_medium=HtmlPlayer&utm_source=embed

またこのサイトで質問とかも受け付けているようですのでぜひ(^^)

http://www.mkt-s.com/

【ビジネス】マーケット・スクランブル

先日ブログを公開にして、ここしばらく更新してきましたが、いったん終了です(^_^;)
プレーヤーをやめて、マネジメントという立場になってから、セミナーやメディアへの出演などのお話もお受けするようになりました。
来週月曜日から月イチの予定で「マーケット・スクランブル」に出演させていただきます。
http://www.mkt-s.com/

こちらに質問なども投稿いただけるようなので、何かありましたらこちらに是非(^^)

【ビジネス】引き継げる喜び

昨日、MarketForum2014が盛況のうちに無事終わりました。
今年は桐谷広人さん、ウルフ村田さん、武者稜司さんのフリートーク、講演など盛り沢山な内容で昨年以上に盛り上がりを見せました。

10年前。
何人かの業界有志が集まり、「MarketForum」がスタートしました。
その何年も前から業界交流会は開催していたのですが、共同幹事体制になり、「MarketForum」の名称となったのはそのときでした。

色んなことがありました。
つまらない噂を流されたり、交流を広げることで人材流出や引き抜きを懸念した一部の会社では現場の子が行くなと言われたり…。

それでも業界のつながりを大切にしていくこと、若い世代に様々な人と交流を持つことで視野を広く持ち、可能性を広げていって欲しい。
そんな思いを理事みんなで大切にしながら前に進んできました。

自分なりにディーラーとして懸命に頑張り、それなりになったつもりでいた30歳代。
ヘッジファンドの世界に足を踏み入れ、SAC(今では違う名前ですが)、ミレニアムなどといった会社の方ともお話しする機会もありました。
自分の世界の狭さ、スケールの違いを思い知らされた…。そこには数千億、兆円規模の運用の世界がありました。
若いうちに様々なものを見たり知ること。そして夢を抱き、チャレンジしていくことはとても大切なことです。

これまで数十に上る様々な取引所や企業の皆さんにもご支援いただき、沢山の方からご支持いただけたことで続けてこれました。

5年前にNPO化、4年前からセミナー、3年前からカンファレンス、昨年から大阪開催と取り組みを広げてこれたのも沢山の方々のご理解とご支援のおかげです。

そして今年の3月に自分は理事長を退き、後輩達にMarketForumのこれからを委ねました。
襷を受け継いでくれた後輩達。
彼らが作る新しいMarketForum。
昨日もとても盛況でしたし、これからがまた楽しみでもあります。

http://www.marketforum.jp

自分達の世代が作ったものを受け継ぐ。大学時代に創った自転車部を思い出しました(^^)
ちょっとあの頃の喜びを思い出しながら、昨日はいい夜を過ごすことができました(^^)

【ビジネス】MarketForum2014

今日は「MarketForum2014」が開催されました。
2005年に今の形になって開かれた第1回。そして今年は10回目にあたります。
初めて自分が何もしないMarketForumでした(^_^;)
今年の3月に理事長を退き、後輩達へとバトンタッチ。7月のカンファレンス、そして今回のイベントと自分はただ一参加者として、後輩達の作るMarketForumをただ見守るだけ。
こんなに嬉しいことはないですね。
自分達の世代が作ってきたものを受け継ぎ、また新しい形に育ててくれる後輩達がいる。
今日は時間がある程度あったので沢山の方と名刺交換させていただきました。
初めてお会いする方も沢山。
次は2月の大阪開催です。そちらも今年からは大阪の後輩達が作ってくれています。
OBとして彼らがどんなMarketForumを作っていってくれるのか楽しみにしています。

今日は自分は何もしていないのにとても嬉しく、充実感を感じられた一夜でした(^^)

【トレード】市場の変化は…②

さて短期運用においての市場の変化について書きましたが、長期運用においてはどうでしょうか?
株価の水準を計る指標として、あなたはどんな指標を見ていますか?

例えばPERやPBR、ROEなど一般的なものがあります。
90年代、自分が最初に株を学んだ頃は「PERで20%を割り込んだら割安」と教えてもらいました。
今考えるとちょっとビックリですよね(^_^;)

その背景にあるのは日本市場独特の「持ち合い構造」がありました。メインバンクを中心とした企業間の株の持ち合いが一般的であったその頃。
それが需給的に株価水準を押し上げていたのです。

PBRも1倍割れなんてその当時は想像も出来ませんでした。解散価値を割り込むなんて…割安過ぎる!と言われたものです(^_^;)

その頃はROEはそれほど重要視されていませんでした。しかし、国際化していく中で海外企業との競争にさらされたとき、日本企業のROEの低さが指摘されることが多くなり、今ではそれなりに意識されるようになりました。

海外企業との競争という意味では違った側面もあります。
かつて日本株でロング・ショート(割高と思う銘柄を売り、割安と思う銘柄を買う、売り買いをニュートラルにすることで市場全体の上げ下げをあまり意識せずに銘柄間格差を取りにいく手法)をするとき、最もオーソドックスだったのは、松下売りのソニー買い、アドバンテスト売りの東京エレクトロン買いといったように同一業種間の銘柄間裁定でした。
しかし、日本の電機産業は海外企業との競争にさらされ、株価は低迷し、一部はその存続すら危ぶまれました。実際の企業間競争の相手が海外企業である以上、運用する側も視野を広げて海外企業も含めた銘柄間の裁定を組むべきだったのかもしれません。例えばソニー売りのアップル買いといったように。企業間の競争がグローバル化していく以上、それらの企業(株)に投資をする側もグローバル化していくべきでしょうね。

またバブル期の特徴として、それまでの指標で現在株価を説明出来なくなったとき、新しい指標が生まれます。
バブルのときは「Qレシオ」、ITバブルのときは「保有株の含み益を組み入れた指標」などです。
そしてアナリストやらストラテジストはまだまだ買えると連呼します。そして歴史的高値が生まれるのです(^_^;)

本来、相場を見るうえで継続的に使用している指標で明らかな割高ならば、それを元に現在の株価がどういった水準にあるのかを考えるべきです。
なのに現在の株価を正当化し、さらに買えると「営業」するために新しい指標を生み出す。
明らかなバブルの兆候ですね(笑)

少なくとも何かの指標が絶対的なものとして使い続けることが出来るというのは間違いかもしれません。市場環境や経済の変化の中で様々な影響を受けるものだということは知っておくべきでしょう。

ロング・ショートもそのアプローチは多種多様です。
先のようなオーソドックスなものから、業種間やテーマ、何かとの相関性に着目したり、成長性に着目したり…。でもマーケット・ニュートラル戦略(ロング・ショートを組み合わせて市場の方向性にはBETしない)だからといって、市場全体の流れや変化を考えることを軽視してはいけません。バブル期などは割高なものがさらに買われるような「踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損損」なんていう状態になりますから(笑)

またそんなロング・ショートでも、リサーチなどをベースにロング(買い)・オンリーでポートフォリオを組むにせよ、「いい銘柄(企業)」を見極める力はとても重要です。最も根本的かつ普遍的かつ不変なものかもしれません。企業を経営しているのは「人」です。ある投資家の方がおっしゃっていました。「企業は人だよ。投資をする際には人を見るんだ。」と。


【トレード】市場の変化は…①

これまで「市場の変化」に適応していくことが大切だと書いてきました。

取引環境の変化もその最たるもの。場立ちがあった頃→システム化されたとはいえしょっちゅう遅延が生じるような頃→そしてミリ秒、マイクロ秒、ナノ秒までが見えはじめた今のシステム環境。その変化の中でHFTは生まれてきたのです。

規制や制度の変更も市場に大きな変化を与えます。
かつて「手口非公開化」されたとき、おそらく一番いい思いをしたのは大口の取引を行う地場証券のディーラーだったのではないでしょうか?
それまでは大口でガツンと売り指値を買っても、手口がバレると向かうヤツも出てきたりして楽させてもらえなかったのが、非公開になったおかげで地場証券のディーラーが買ったことがバレなくなって提灯がつくようになり「やりやすく」なった(笑)

これはたまたまポジティブに影響が出た話ですが、なんらかの制度変更や市場の変化によって市場参加者には様々な影響が出ます。直近であれは「呼値適正化」ですよね。

市場の制度やシステムなどの環境変化には短期トレードであればあるほど影響を受けます。おそらくHFTなんてその最たるもの。制度やコストがちょっと変わるだけでも彼らはビジネスができなくなりかねないでしょう。

かつてHFTの方々との「飲み会」にお邪魔させていただいたとき(みんな外人でした)、彼らの中に様々な国・取引所の制度を調査する仕事をしているという方がいました。その国で取引して儲けられるかどうかを調べる専門のスタッフがいる…つまり彼らはそういったことが自分達のビジネスやトレードにそれだけ重要であると分かっているのでしょう。

思い起こせば「有価証券取引税」なんてものがあった頃、「一カイニヤリなんてやったってヤラレなんだからやるな!」と言われたものでした(笑)

さてでは長期運用においてはどうなんでしょうか?

続く…
プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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