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【欧米市場動向】2011/12/14

前日のFOMCでは特に材料もなく終え、年末までに何か変化を期待させるイベントはもう予定されていない。
その状況でEUサミット後に続くユーロの下落や金の下落が市場に不安を与えている。
ユーロは1月につけた年初来安値更新間近の水準にあり、金も今週に入り▲8.5%もの下落となっている。今日は原油の下落も急激なものになっている(▲5ドル安)。


欧州では
①フランス国債格下げに関する噂
②イタリア国債の利回り上昇
③ギリシャ改革に関するIMFのネガティブコメント
④メルケル首相がEUサミットについて議会でスピーチ(従来のスタンスを踏襲)
などが市場を圧迫した。独DAX指数は▲99.12安(▲1.72%)の5675.14。


米国では
バーナンキ議長が欧州危機に関して上院GOPでコメントする予定(CNBC報道)があり、そこで何らかの市場安定に資するようなコメントを期待したいところだが…


EUサミット、FOMCとほぼ空振りで終わったことで、市場には積極的な参加者もいないまま反転のきっかけがつかめない状態。NYダウは▲131.46ドル安(▲1.10%安)で3日続落。CME日経平均先物は8415円で取引を終えている。

【欧米市場動向】2011/12/13

市場は全体的にFOMC待ちという雰囲気で推移。前日の急落の巻き戻しの動きが前半の動きを支配した。


欧州市場は方向性に欠ける展開。寄り後に前日水準をはさんでもみ合った後はいったん切り返して小幅高で推移していた。しかし、「メルケル首相がESMのファンディング上限引き上げを拒否」とのヘッドライン(ロイター)が流れて、0時過ぎ(日本時間)から下落に転じ、結局DAX指数は▲11.17(▲0.19%)安で取引を終えている。


米国市場は堅調なスタートとなった。プラスで始まった後そのまま上値を追う展開となり、一時NYダウは100ドル以上の上昇を示した。しかしその後は欧州のヘッドラインなどもあってズルズルと押し戻される展開。それでもFOMC声明待ちの間はプラスを維持していたものの、FOMCで何も目新しい内容が示されなかったことから4時過ぎ(日本時間)から急落。一気にマイナス圏へと落ち込んだ。NYダウは▲66.45ドル安の11954.94ドルで取引を終えている。


野村からレポートが出ていたように市場の一部ではQE3に向けてなんらかの動きがあるのでは…と期待する向きもあったようだ。市場の反応を見る限り失望売りという形になっている。


懸念が強まっているのはEUサミット終了後のユーロの動き。10月4日の安値1.3146を下回り、年初来安値1.2867をうかがう展開となっている。ユーロ円でも101円台に突入しており、欧州向けへの比率が高い輸出関連銘柄には重しとなりそうだ。


その他では「イランが軍事演習のためにホルムズ海峡を閉鎖する見込み」との報道を受けて原油価格が一時3ドル以上の急騰となっている。

【欧米市場動向】2011/12/09

注目されたEUサミットは決定的な対策で合意(いわゆるバズーカ)までは至らな
かったものの、①ESM稼動を2012年に前倒し②PSI条項の緩和③IMFに最大200bnユー
ロを拠出などポジティブな内容もあったことで市場はポジティブに反応した。
しかし、依然として詳細に欠けること、英国の強い反対もあってEU全体での合意
には至らなかったことなどもあり、今後も懸念はくすぶり続けることになりそう
だ。


先週、水曜日以降動きが見られなかったSMPも買いを入れてきており、規模は小
さいながらも債券市場をサポートしていたようだ(ストリート全体で1bnとの市場
推計。イ61%/ス31%/ポ4%/ア4%)。


指標ではミシガンが67.7と強い結果となり、市場の上昇をサポートした(予想
65.8)。NYダウは+186.56ドル高の12184.26ドルとなり、前日の下落をほぼ埋め
る展開となった。

【欧米市場動向】2011/12/08

週末にかけて高まっていた期待が一気に剥げ落ちる形となった。


きっかけはECBドラギ総裁がEU首脳会議に参加している政治指導者が責任を負う
べきというスタンスを変えず、財政協定の必要性を訴えECBが国債購入拡大で支
援する可能性を示唆したことはないと発言したこと。メルケル首相もBig-banの
解決策はないと発言。さらにEBAが欧州の銀行は前回推計した以上の資本増強が
必要と指摘。


これらを受けてセンチメントは一気に悪化。週末には何か大きな対策が打ち出さ
れるとの市場に広がっていた安易な期待は大きく後退することとなった。


米国市場は引けにかけてESMが銀行ライセンスを付与されるとのサミットドラフ
トに関するニュースが流れて一時リバウンドするが、その後10分足らずで独はラ
イセンス付与、EFSF/ESMの並行運用、共同債発行のいずれも反対という独高官の
発言が流れて一気に反落。さらに安値を割り込んでの引けとなった。
NYダウは▲198.67ドル安の11997.70ドル。DAXは5874.44(▲120.29)で取引を終
えている。


ユーロ崩壊すら懸念される中で開催されるEUサミットではまだ様々な意見対立が
残されている。その中でどういった道筋が示されていくのか?市場はそれに対し
て期待と不安の中で神経質な動きを続けている。

【日常】2011年を振り返って

この一年を振り返るとあの挫折から一年も経っていないんだ…と、なんか不思議な気持ちになる。
あの苦しかった時期がずいぶん昔のことのように感じられる。

 

2011年は公私に渡ってどん底からのスタートだった。
40年以上も生きてきてつらかったことはいっぱい経験したけれど、そのどんな経験すら大したことじゃないと感じるほどきつかった。
先が見えなくて、疲れ果てて、しばらく仕事もしたくなかったし、どこかで全部投げ出してしまいたいとすら感じていた。

 

 

自分の人生なのに思うようにならない辛さ。
背負ったものの重さに押し潰されそうになっていた。
多くのものを失い、傷ついていた。
そして傷つけもしていた。

 

 

1月にアクシアをクローズすることになり、その後は半年ぐらい休養しようと思っていた。
そんな自分が思いのほか早く立ち上がることができたのは家族や仲間や多くの友人たちの応援があったから。

 

たくさんの人が心配し、励まし、手を差し伸べてくれた。
そしてボロボロの状態の自分のことをそれでも信じてくれた。

一人で生きているわけじゃない…そんなことは分かっているつもりだったけど、これほど「生かされている」と感じたのは初めてだった。

 

ファンドをクローズして、すぐに初めての長い一人旅に出かけた。
トルコを3週間弱、カメラを片手にバックパッカーのように旅した。
カメラが趣味だったことをようやく思い出した。

 

 

就職してからの自分はくそ真面目そのもの。
自分を追い込むように生きてきて、自分の時間や趣味を大切にしてこなかった。
学生時代は多趣味だった自分が、仕事から離れて一人でいると何をしていいのかすら分からなかった。

 

でもカメラを持っていると、通りがかりの風景や草木・花、光…当たり前のようにあるそんなものを気にするようになった。
これまでは意識もせずただ通り過ぎていたものに目をとめるようになり、何かを感じたり、感動したりできるようになった。

 

トルコから帰り、しばらく休みたいと思っていた自分の背中を押してくれたのは今の会社の社長だった。
「前に進もう。」と思った。
「この人の期待に応えたい。」本気でそう思えた。
地場証券の現実に失望していた自分だったけど、それでも諦めずにできることをしていこうという気持ちになれた。

 

 

その出会いを作ってくれたのは他の証券のディーリング部長をしていた人だった。
多くの人が心配し、様々な人を紹介してくれたり、自分を必要と言ってくれた。

 

それがとても大きな力になった。
自分でもびっくりするほどに。

 

その後、また走り始めた自分。
今やりたいことは30代の頃のようにプレーヤーとして成功することではない。
それはそれでプロとしての仕事・責任を果たさなければならないけれど、今の自分が目指すものはもっと質の異なるもの。
そしてそれは一人の力では実現できない。

 

 

でもあの苦しいときに力を与えてくれた人たちがいる。
多くの人の支援や理解を得られれば少しずつでも変えていけるかもしれない。
そう思えた。

 

 

夢を見れなくなった地場証券の若手ディーラー達。
彼らが夢を追える時代・環境をもう一度取り戻したい。
単なる一攫千金ではなく、運用のプロとしてこの国で運用ビジネスをし、成長して世界に通用するようなプレーヤーが生まれるような土壌を作っていきたいと本気で思っている。

 

 

ファンドの世界を垣間見て、日本の運用スケールの小ささを思い知らされた。
月に1億~2億稼いでいた時期もある。
でもグローバルに運用する海外ファンドの人の前ではとても胸を張れるようなものではなかった。
あまりにもスケールが違った。

 

日本は世界有数の個人金融資産を持っている。
なのに金融・運用ビジネスは未発達で規模も小さい。
アジアにおける金融センターは香港やシンガポール。
日本人が日本市場で運用するのにも関わらず、多くのファンドマネージャーがそれらの国に移ってビジネスをしている。
日本でもやれる。
日本だからこそ出来る。
そんな風になって欲しいと願う。
そのために自分か出来ることがあるのなら、どんな小さなことでも全力でやっていこうと思う。

 

もっとワクワクするような市場。
若手が将来を夢見てチャレンジしていけるような環境を作っていきたい。

 

 

今の会社に入社して、研修室を任された。
まだ二年目、三年目の若手達。
挨拶もロクに出来てなければ、証券の基礎知識すらロクになかった。
でも彼らはたった半年で変わってくれた。
そのほとんどがプログラミングまで身に付け、金融知識も少しずつだけどそれなりに話せるレベルには成長してくれた。
難しい相場か続いているけど、光るものを持っているヤツもいる。
コイツらの成長も自分にとっていくつもの喜びを与えてくれた。

 

 

どん底から始まった一年だったけど、決して満足出来る一年ではなかったけど、自分らしく前に向いて進んでこれた一年だったと思う。

 

 

多くの人に支えられ、背中を押してもらったからこの一年を乗り越えてこれた。
そして仕事ばかりだった自分が人生を楽しむということの大切さに気づくことが出来た一年でもあった。

 

写真だけではなく、旅行やコンサート、登山、そしてダイビング。
それまでの自分では考えられないほどプライベートな時間もアクティブに動いた。

 

旅先で目にするものや出会う人々。
生で聴く音楽や歌声が与えてくれる感動。
山の雄大な自然や景色、満天の星空。
そして海の中で過ごした時間。
様々なものに感動することができた一年だった。

 

 

とてもつらい出来事だったけどノアとの出会い、そして別れ。
そして今年も多くの人に出会った。

 

 

ただ仕事だけをがむしゃらにやってきたこれまでとは違う一年を過ごすことができたと思う。

 

 

今年で後厄も終わる(^^ゞ
前厄もきつかった。
本厄はシャレにならないほどきつかった。
後厄はきついながらもそこから立ち直ろうと前に進んだ一年だった。
来年はもっと前を向いて走っていこう。

 

 

今日は今井美樹のライブに行ってきた。
どうしても生で聴きたい歌があったから。
昨年末、そして今年初めにとてもきつかったときに何度も聴いた曲。
それまではあんまり歌詞を気にしたこともなかったけど…(^^ゞ
震災後に多くのリクエストがあった曲。

学生の頃は音楽を聴いて、その歌詞にいろんなものを感じたりしていたけど、仕事を始めてからはそんなこともなくなっていた。
でもこの歌には少し励まされたかな。

 


『PIECE OF MY WISH』

 

 

朝が来るまで泣き続けた夜も
歩きだせる力にきっと出来る

太陽は昇り心をつつむでしょう
やがて闇はかならず明けてゆくから

どうしてもっと自分に素直に生きれないの
そんな思い 問いかけながら
あきらめないで すべてが崩れそうになっても
信じていて あなたのことを

本当は誰もが願いを叶えたいの
だけどうまくゆかない時もあるわ

希望のかけらを手のひらにあつめて
大きな喜びへと変えてゆこう

愛する人や友達が勇気づけてくれるよ
そんな言葉 抱きしめながら
だけど最後の答えは一人で見つけるのね
めぐり 続く 明日のために

雨に負けない気持ちを
炎もくぐりぬける そんな強さ 持ち続けたい
それでもいつか すべてが崩れそうになっても
信じていて あなたのことを
信じていて欲しい あなたのことを

 

【欧米市場動向】2011/12/07

基本的には木金待ちで様子見の一日。S&Pによる欧州15ヵ国の​ウォッチネガティブの影響は限定的。S&PはさらにEFSFもウォッチネガティブにすることを発表したが、市場の反応は限定的だ​った。

S&Pの欧州ソブリン担当クレーマー氏は「EUサミットはマーケ​ット心理回復に十分である必要がある。ECBの更なる行動は政府の行動ありき。」とコメント。

午後に市場を一時押し上げたのは「バズーカ」と目を引く単語の入ったFT記事。『ESM/​IMF稼動後もESFSを存続し「バズーカ効果」を目指す提案をE​U条約改正を含めEUサミットに向け議論中』との関係者のコメント。

NYダウは続伸となり、+52.30高の12150.13ドルで​取引を終えている。

【欧米市場動向】2011/12/01

今日は静かな一日。
欧州は前日の6中銀によるドル資金供給連携によりファンディング面での懸念は後退しており、債券市場は堅調に推移した。スペイン、フランスの入札も無難にこなしている。イタリア債は6.66%まで利回り低下(価格上昇)、11月24日以来の7%以下の水準となった。


目先の懸念は後退したものの、中長期的な問題解決にはなっておらず、来週のEU首脳会議待ちというところか。


指標面ではジョブレス(新規失業保険申請者件数)が402Kと予想390Kを上回ったものの、ホリデーウィークであったため調整要因の影響もあり、判断材料にはつながらなかった(調整前は70K低下)。


ヘッドラインとしては
・ECBドラギ総裁が「各国政府がユーロ圏の財政統合を推進するなら、ECBは債務危機との戦いでより大きな役割を果たすことができる」と発言。
・独メルケル首相はECBの役割拡大について現段階では拒否の姿勢を貫き、欧州の経済連携強化を優先するとの報道。
・独財務相が「GDPの60%を上回る部分に関して"Debt Redemption Fund"を創設する」と発言(各国独自にファンド創設というもののため、内容的には失望的に受け止められている)。
・フィンランドが欧州圏崩壊のコストを試算。
・スイス政府がマイナス金利を検討との報道(以前、独紙が報じている内容の蒸し返し)。
前日の急騰を考えれば、崩れる動きもなくかなりしっかりとした印象が強い。債券市場の堅調さをみてもかなり雰囲気は明るくなっている。

【欧米市場動向】2011/11/30

月末の欧米市場は急騰となった。米国株は2009年以来のラリーとなる+4.23%の急騰となった。
背景にあるのは日米欧の6中銀(米連邦準備理事会(FRB)、カナダ銀行、イングランド銀行、日本銀行、欧州中央銀行(ECB)、スイス国立銀行)がドル資金供給で協調を取り、ドル資金供給について12月5日より適用金利を0.5%引き下げで合意し、ドルスワップ協定も2013年2月1日まで延長を決定したこと。


http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_352958

欧州危機問題に対し、欧州のみではなく主要国の中央銀行が協調体制をとったことは市場に強いインパクトを与えた。


米指標もADP+206K(予想+130K)、チャレンジャー-12.8%、シカゴPMI62.6(予想58.5)と総じて強い内容。欧州に関してはユーロ圏財務相が銀行の公的保証で合意との独財務相による発言もあり、全ての材料が市場にとってポジティブに働く形となった。株価が年初来安値圏に沈んでいる中国でも預金準備率の引き下げが発表されたことも支援材料となっている。


欧州株は寄り付きこそ前日比マイナスで始まったが、20時に一回目の急伸。そして先のヘッドラインが流れたところで一気に上昇幅を拡大した。米国市場が始まる前にすでに市場の趨勢は決しており、米国株は寄り付きから大幅上昇。一気に400ドル高まで上げ幅を拡大した後は一進一退の展開となった。日本時間5時頃から引けにかけてジリジリと上昇幅を拡大。MOC(引け成り)での買いもかなり観測された模様でNYダウは12045.68(+490.05)の高値引けとなっている。

プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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