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【欧米市場動向】2011/11/25

米国株式市場はイッテコイの展開となった。
オープン前まではマイナス圏で推移していたS&P先物もオープンのかけてジリジリと値を上げ始め、寄り付き後は一気に上昇幅を拡大させた。
市場筋からは大きめのショートカバーが観測されていたようだ。
今週は下げ続けた一週間であっただけに週末を前にカバーの動きが出たという見方が多い。
しかし、買戻し一巡後(日本時間1時過ぎ頃から)は下げに転じ、引けにかけてはさらに下落。
終わってみればイッテコイの7営業日連続下落となった。NYダウは▲25.77(▲0.23%)、S&P▲3.12(▲0.27%)、ナスダックは▲18.57(▲0.75%)で取引を終えている。

この日も欧州ではいいニュースは聞かれなかった。
イタリア債入札で借り入れコストが1997年以来の上昇まで上昇、同国債は下落し、11月9日の安値を割り込んでしまっている。
ムーディーズによるハンガリーのジャンク級への格下げによりハンガリー・フォリントが下落、S&Pはベルギーの格下げ(AAに格下げ、見通しは「ネガティブ」継続)を発表している。

それでも欧州株は米国株が上昇していた時間帯で取引を終えており、総じてプラスで取引を終えている。DAXは+64.76(+1.19%)。
その後の米国株の下落を織り込んでいないため、週明けの欧州株は軟調なスタートとなりそうだが…。

CME日経平均先物は一時8200円台を回復していたものの、米国株の反落とともに下落。8120円で取引を終えている(大証比▲60円安)。

【欧米市場動向】2011/11/23

休日の間の米国株式市場は大幅安となった。これで今週に入り3日
連続の下落。
祝日前でリスク・オフの動きもあり、引けにかけて一気に下げ幅を
拡大。終値は▲236.17安の11257.55で取引を終えて
いる。
欧州問題を中心にネガティブな材料が多い一日となった。
①独10年入札が不調に終わり、応札が61%にとどまる札割れと
なり、39%をブンデスバンクが抱えるという結果になった
②デクシア(仏・ベルギー系の金融サービスグループ)を巡る懸念
が再燃(一旦収束していた話題だったが、ベルギーが分担分を支払
えずフランス政府と分担を再協議中との報道)
... ③メルケル首相は昨日と同じ趣旨の発言
④仏はECBのラストリゾートとしての役割について独の反対を克
服できないとの見解を示した
⑤欧州圏のリセッションはソブリン格付けに一段のダウンワードプ
レッシャーになるとのS&P発言
⑥仏AAA格付けは欧州危機の一段の悪化があれば(維持できない
)リスクがあるとのフィッチのコメント
など。
特にこれまで欧州の中で最も安定的な評価を受け、揺らぐことのな
かった独の債券市場が崩れたことは市場のセンチメントを大きく悪
化させたようだ。

イタリア、スペインは引き続き7%前後の利回りとなっているが、
ドイツ、フランスの利回り上昇が目立つ形となっている。

NYダウは10月4日の安値10404.49→10月27日の高
値12284.31の上昇の半値押しレベル(11344.4)ま
で下落。61.8%押しの水準は11122.58となる。
DAX指数はすでに61.8%押しの水準(5525.35)も割
り込んでしまっている。
一方で深刻なのは日本株。すでにTOPIXは年初来安値を割り込
んでいるが、辛うじて震災直後の安値(3月15日8227.63
円)を維持していた日経平均株価も風前の灯。CME日経平均先物
は8155円で取引を終えており(8135円まで一時下落)、休
み明けの今日、年初来安値を更新してのスタートとなりそうだ。

【欧米市場動向】2011/11/22

上値の重い印象ながらもどこか方向感に欠ける展開となった。
材料としては
・スペインのT-Bill入札の不調
・独メルケル首相のユーロ債は危機解決の答えではなく、決定的な策はないとのネガティブな発言
・米GDPは2.0%(予想2.5%、前回2.5%)と弱い結果
などのネガティブなものが目立ったが、それでも前日のように急落することもなかった。

NYダウは▲53.6ドル安の11493.75ドル、DAX指数は▲68.61安の5537.39と続落。
一方でNYダウの年初来安値は10404.49ドル、DAXは4965.80とまだ安値までは距離がある。
すでに年初来安値圏に沈んでいる日本株の弱さが目立つ状況だ。ADRも軟調なものが目立つ。CMEは8265円で取引を終えたものの、23日(日本時間)の売買時間帯に入り8165円まで売られる状況になっている。

【欧米市場動向】2011/11/17

欧州市場ではスペイン債の入札不調などから同債券が売り込まれる展開となり、6.7%を上回る水準まで利回りが急騰(前日6.4%前後)。その影響もあり、株式市場にも売り圧力がかかっている状態となったが、DAX指数は安値圏では買いも入り大きく崩れるような形にはなっていない。債券も大きく売り込まれた後はSMPのアクティブな買いを受けて反発。全体で4bn程度の買い取りを行ったと観測されている(イ75%/ス24%/ポ1%)。ハンガリーがIMFとの協議を再開したとの報道なども話題となっていた。




その他のヘッドラインは以下の通り。

①メルケル首相が「ECBが欧州問題を解決する必要はない」と仏提案を拒否することになった発言に続いて、EU条約改正について12月8日に発表予定とコメント

②フィッチがイタリアがマーケットアクセスを失えば非投資適格に格差の可能性があると指摘

③ECBからIMFへのローン構想(関係者発言、後に別の関係者が独が却下した構想とコメント)

④Fedブラード総裁がECBの債券購入について「完全にEU協定に抵触」とし、米国への悪影響は限定的との見解(CNBCインタビュー)。




米国市場も欧州市場同様に売り圧力の強い状態ながらNYダウで前日水準で一進一退を繰り返していたが、日本時間2時半頃から急激に下げ幅を拡大。前日に引き続き100ドル超の下落となった(▲134.86ドル安の11770.73ドル)。欧州危機への懸念に加えて米議会が財政赤字削減で合意できないという見方も圧迫要因となった模様だ。




このところ欧州債券市場の不安定さなどの割にユーロが底堅い動きとなっているが、これは欧州金融機関、企業などが資金還流を行っているためという見方がある。実際に欧州銀行の米国資産などがここにきて急減しているという統計もあり、欧州銀行を取り巻く厳しい環境から資産の現金化(ユーロ資産への還流)が進んでいるのは間違いないようだ。SMPの積極的な債券買い取りにも関わらず欧州多重債務国の債券が下げ止まらないのもリスク資産の圧縮(現金化)が活発化していることによる。

まだ不安定な状況はしばらく続きそうだ。

【欧米市場動向】2011/11/16

欧州株は売り先行で始まった。しかし、その後は切り返す展開となりDAXなどは一時プラスを回復。イタリアでのモンティ新政権のスムーズな誕生、そしてSMPによる債券買い取りが3.25bn(市場推計)と前日までの2bn前後に比べ規模が拡大し、イタリア・スペイン国際価格が急速に持ち直したことを受けて反発した。


しかし、その後に両国債価格が反転しイッテコイの展開となると一気に株価指数も押し戻される展開となりDAXは再度マイナス圏に沈んだ。欧州株はマチマチの展開。かなりチョッピーな動きをした一日となった。

米国株も売り先行で始まった後、ジリジリと戻りを試す展開となったが、4時過ぎ(日本時間)にフィッチが「米銀は欧州危機で信用力低下する重大なリスクを抱えている」とコメントを発したのをきっかけに急反落。それ以外にも①ファンディング懸念の高まり(危機意識は朝から既に高かったが、午後にはラッカー総裁がマネーファンドの欧州危機への脆弱性に言及)、②ムーディーズが独ランデスバンク12行を格下げ、③スーパーコミッティーの頓挫トーク(今回はメディケア・メディケイド議論)なども市場の圧迫要因となった。NYダウは4時過ぎから▲200ドル前後の急落となり、前日比▲190.57ドル安の11905.59ドルで取引を終えている。


CME日経平均先物も4時過ぎには8500円台を回復していたが、その急落によって8390円まで水準を切り下げて取引を終えている。昨日年初来安値を更新したTOPIX。震災直後の日経平均株価の安値は8227.63円。直近の安値は8343.01円。この水準が意識される。

【欧米市場動向】2011/11/15

欧州は小幅高で始まったものの、イタリア債の利回りが再度7%を超え、スペイン債も売り込まれるという流れを受けて下落に転じ、その後も下げ幅を拡大していった。欧州はギリシャのCDSこそ下落しているものの(元々の水準が既にデフォルト状態を示しているが)、イタリアやスペインを始め欧州多重債務国のCDSは上昇している。背景にはイタリア格下げ(3ノッチ引き下げといううものも出ていた模様)の噂。その欧州も午後にはリバウンドに転じたものの、プラス圏までは回復できてはいない。理由としてはイタリアでモンティ政権が発足し、危機対
応に積極的に取り組むことが期待される…とのコメントが多く聞かれている(が、今回の危機については構造的な問題であり、新政権発足で一気に変わるようなものではない)。


米国市場は小売関連の指標が良好で、エバンズ総裁やウィリアムズ総裁などFEDスピーカーからは追加緩和に対するコメントが発せられている。一時マイナス圏に沈んでいた米国株も、それらを受けて切り返す展開となった。12000ドル割れ目前の水準から12160ドル超まで上昇したNYダウだが、引けにかけては一気に崩れてその上昇幅はわずか△17.18ドルにとどまっている(ナスダックは△28.98高)。ハイテクセクターの堅調が市場を支えた格好だ。

イタリア新政権の発足への期待は確かにあるようだが、進行する債券の下落、格下げ懸念とまだ予断の許さない状況が続きそうだ。

【欧米市場動向】2011/11/09

欧米市場は大幅安。
急激な下落は欧州時間から始まった。
昨日観測が流れていたLCHによるイタリア債のデポジットファクター引き上げ(6.65%→11.65%)が引き金を引いた。
それにより
①銀行が保有する妙味が低下し業者の流動性確保にもコストがかかり、イールドプレミアム上昇
②イタリア債がデュレーションプロダクトではなくクレジットプロダクトという扱いにシフト
という事態を引き起こし、イタリア債急落を招いた。
イタリア債利回りは危険水域とされる7%を一気に超えてしまった(7.226%)。SMPによる買い取りは継続しているものの、その動きを緩める程度の効果しか発揮できていない。

 


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欧州株は寄り付きこそプラス圏で始まったものの、イタリア債の急落が市場を圧迫して18時過ぎ(日本時間)から急落。DAX指数(独)はわずか2時間の間に200ポイント以上も下落しセンチメントは一気に悪化した。20時以降は安値圏でのこう着。

 

 

ヘッドラインとしては
「イタリアは必要があればEFSF利用を検討すべき」との独財務相発言があったが、イタリア自身がEFSFの18%を担っていることを考えると、EFSF自体の限界を感じる面もある。

 

 

米国株は▲200ドルを上回る大幅安で寄りついた後、3時(日本時間)ぐらいまでは安値圏こう着。それ以降に再度下げ幅を拡大する形となり▲389.2ドル安の急落となった。

 

 

イタリア債の下落があまりにも急で市場は大きく動揺している。欧州各国の債券の動きをみると「安全」として買われたのはドイツ債のみ。これまでこういった局面で同じように買われていたフランス債は売られている。

 

 


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EU3位の経済規模を誇り、債務残高も独仏を上回るイタリアへの懸念。火はギリシャから一番燃え移ってほしくないところへと広がりつつある。

 

【欧米市場動向】2011/11/08

東京市場の下落から米国先物も軟調に推移し、欧州株式市場は前日引け後の米国株上昇を十分に反映できないままのスタートとなった。それでも底堅い動きを示してジリジリと値を上げていった。



イタリア国債が前日に引き続き売りこまれるなど不安定な状況の下、注目された同国予算関連法案は630議席中308の賛成で可決。しかし、棄権が321に上り事実上のベルルスコーニ首相への不信任という状態。水曜日にもLCHがイタリア債について5%のヘアカットを実施するとの観測が流れたが、LCHはそれを否定。


イタリア債はSMPによる買い支えもなく安値引けとなった(利回りは6.7%台乗せ)。欧米株式は同国議決の内容を受けて一時売り込まれる展開となり、欧州株は上げ幅を縮小、独DAXは寄りつき後の安値から+150程度上昇を示していたが、議決後の1時間半でほぼその上昇を失う形となっている(DAX+32.76)。



NYダウもそれを受けて一時マイナス圏へと沈んだものの、欧州引け後には売りこむ動きは沈静化し、さらに伊ベルルスコーニ首相が財政緊縮法案が来週議会で可決され次第辞任する意思を示したとのヘッドラインをきっかけに一気に上昇へと転じた(NYダウ+101.79)。



CME日経平均先物はこれらの動きに連動し、欧州時間に上昇して8700円台を回復、その後イタリア予算関連法案議決をきっかけに反落して8670円まで押し戻された後が、3時過ぎにベルルスコーニ首相辞意が流れて一気に上昇。8760円で取引を終えている(戻り高値は8775円)。



昨日急落となった野村證券のADRは円換算250円(前日比+5円)、銀行株も若干上昇して取引を終えている(前日の下げ幅を考えれば懸念を払しょくできるレベルではないが…)。

【欧米市場動向】2011/11/01

欧州は『想定外の事態』に売り一色の展開となった。
ギリシャで行われることになった国民投票。現在、与党は議員の造反・離党などで151/300まで減少しており、法案通過が通常のプロセスでは容易ではなくなっているために行うのだろうが、一歩間違えれば政権崩壊の恐れすらあるということも懸念されている。


前週、あれだけ困難を乗り越えてようやく合意にいたった欧州のギリシャ救済案。これが救済される側のギリシャによって否定される恐れも出てきている。これによりようやく市場に戻りかけていたリスク・オンの動きが一気に巻き戻される展開となった。


独DAX指数は▲306.83(▲5%)、NYダウは▲297.05(▲2.49%)の下落となっている。欧州時間はほぼ売り一色。ズルズルと下げ幅を拡大し続けた。米国市場は急落で始まったがその後はリバウンド。日本時間23時に発表されたISM製造業景況指数は予想52.0のところ50.8にとどまり、一瞬売られかけるがその後もリバウンドを試す動きは継続。しかし、戻りは限定的なものにとどまりその後は安値圏でトリッキーな動きとなった。
DJの報道でギリシャの国民投票が実施されないとのヘッドラインで戻したかと思うと、同国報道官がNY市場引け前に実施を改めて確認して急反落するなど不安定な動きを続けた。


前日破たんとなったMFグローバルが顧客資産の保全を適切に行ったいなかったということも嫌気されている。同社は世界中で年間20億枚以上売買をこなすプレーヤーであり、同社の破たんによってフロアにアクセス出来なくなったローカル?も多数に上るとのこと。24時間以内にはこの流動性の問題は改善される見通しだが、まだ市場の流動性への懸念は残される。

【欧米市場動向】2011/10/31

日銀の為替介入で79円台まで円安に動いたドル円だが、欧州時間に入ると78円台まであっけなく押し戻された。その後は同水準で一進一退の展開。欧州ではSMPが積極的に購入(イタリア65%/スペイン30%/ポルトガル5%)
を続けているにも関わらず、イタリア国債の利回り上昇(6%超で年初来高値水準)が懸念され、株式市場も今月後半の大幅上昇の反動から売りが先行する展開となった。
さらに米国ではMFグローバルが連邦破産法申請となり、リスク・オフの流れが鮮明となった。
一方で、それらはあくまできっかけに過ぎず、月末要因(今月後半の大幅なラリーからポジション調整のフロー)による部分が大きいとの見方もある。このラリーでNYダウは安値10404.49ドルから18.07%もの上昇を示しており、今日の下落幅は▲2.68%程度と調整にすぎない。
プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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