【欧米市場動向】2011/10/27
欧州問題で難航していた銀行の損失負担などギリシャ問題で合意がなされたこと
で一気に流れは変わった。前日の日本時間昼から急速にリスクオンの動きが強まっ
ていたが欧米時間に入ってもその流れは継続している。
欧州市場は大幅高でスタートした後も上昇し続けた。NY市場が始まってから若干
下押す場面もあったものの切り返してほぼ高値圏で取引を終えている。
NY市場は朝方から早々と各市場であらゆるカウンターフローが見えていて、この
フローがスクイズを引き起こしたこともよく見て取れた。S&P先物の建て玉をみ
ると10月3日から昨日まで3.116mm→昨日2.984mmと減少。つまり指数が15%上昇
する過程での建玉減少は、この上昇が新規の買いよりはショートカバーが主体で
あったことを示している。今日の上昇で新規のフローが入ってきたかどうかも意
識しておきたいポイントだ。
周辺国市場はキャッシュ/CDSともにラリー。ギリシャ債の対独スプレッドは短期
を中心に200bps前後のタイトニングで、CDSはロングのセットアップ/ショートカ
バー/ストリートのプロテクション売りなどあらゆるフローがタイトニングを牽
引(ポルトガルとアイルランドの5年は各110bpsと100bpsタイト)。ギリシャのCDS
は3435.59と前日の5458.79から急落となった。
為替市場ではEURはストップトリガーとマクロのショートカバーで上に値幅が出
た。反対サイドにはアンダーヘッジ状態により元々月末にEUR売り需要があるコー
ポレートフローが存在していたが、EURは非常に強い動きを示していた。一方で
USDは相対的に売られるパターンとなり、ドル円は再度高値を更新している。
欧州関連では追加のニュースは無く、独財務次官やBOEのブランチフラワー氏な
どから「楽観に警戒」の趣旨の発言が出ていた程度。
今回の合意については独仏首脳の最後通告に金融業界が屈服とBloombergのヘッ
ドラインは表記している。ギリギリのところではあったが、この合意がもたらし
た市場の大幅上昇で両首脳への評価は高まりそうだ。
米指標はQ3GDPが+2.5%(中身はヘッドラインほど弱くなく、在庫-1.1%が押し下げ
要因でQ4のサポート要素、消費・投資・住宅投資は強い)、ジョブレスは402K。
米株市場は高寄り後2時間ほどもみ合う動きとなったが、1時過ぎから高値を抜け、
ダウは339ドル高での急騰となった。
特に銀行株の上昇が目立った(MS17%/BAC10%/GS9%高)。