【相場雑感】呼値について
3万枚に乗せるのがやっとという状態。
一部の大口プレーヤーが板を作り、それのひっくり返しばかりが目立つ状態が続いています。
一部のプレーヤーに支配されてしまうのは、参加者全体が少ないからに他ならないのですが、こういったパワープレーが通用してしまう一因に呼値があるかもしれません。

表の一番左は呼値をしめしたものです。
その呼値と現在値、今年の平均に日中幅の比率を比較してみました。
米国市場の先物は指数の水準に対して0.01%前後の呼値となっています。
それに対して、日経平均先物は0.1%とほぼ10倍。
ミニやTOPIXで0.05%とほぼ5倍の比率になっています。
さらに日中の値幅と比較してみると、
米国市場の先物は0.76%~0.97%であり、日本市場のそれは3.95%~8.47%と、こちらも5倍~10倍の水準にあります。
この呼値の大きさが板を過剰に厚くさせ、パワープレイで一文抜きにいくという売買手法を可能にしている面があるのです。
数百枚の板を持ち、ミニやSGXでしかけて5円を抜きにいったり、取り消ししたり、自己自己(クロス)をして他の参加者を振り回したり…。
そんな手法が可能なのは、一ティック抜ければコスト以上の利益が残るからという面があるかもしれません。
何ティックか抜かなければ、利益が残らないのであれば、『板を作る』ことによってサヤを抜くということ自体がワークしなくなります。
一方で、買い持ちをして、大量に下に指値買いを入れて買いを厚く見せる行為(いわゆる見せ玉)はより明確に見えてくるでしょう。
それを頻繁に過当な数量やっているところがあれば、相場操縦行為がもっと明確になってくるかもしれません。
少なくとも、小口のプレーヤーも板の順番待ちでイライラするのではなく、もっと細かく利食いをいれたり、損切りしたりが出来るようになります。そして板も自ずと薄くなる。
結果、ターン・オーバー(売り買いがひっくり返る)が増えることにより、売買が活性化する可能性もあります。
何かが変わることに抵抗が大きいのは確かですし、この呼値を利用して利益を上げている大口参加者からはもちろん反対されるでしょうが、一番即効性のある変更かもしれませんね。
本質的にはもっと多様な参加者を増やしていくことが重要なんですが…。