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【相場雑感】オプション・プライシング実践編⑤~ガンマ、ベガ

スイマセン…お待たせしました!

今週飲みばっか続いていたもんで、結構手間のかかる記事なんで更新する余裕がなくて…(^^ゞ



という言い訳は置いといて、ガンマからでしたね。

さっそくいきましょう!



Function Gamma(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)

If IsError(現指数) = False Then

If 残存日数 <= 0 Then

Gamma = 0

ElseIf 現指数 <= 0 Then

Gamma = 0

ElseIf 権利行使価格 <= 0 Then

Gamma = 0

ElseIf IV = 0 Then

Gamma = 0

Else

Step1 = 残存日数 / 365

Step2 = Application.Ln(現指数 / 権利行使価格)

Step3 = (Step2 + (金利 + IV ^ 2 / 2) * Step1) / (IV * Sqr(Step1))

Step4 = 1 / Sqr(2 * Application.Pi()) * Exp(-(Step3 ^ 2 / 2))

Step5 = Step4 / (Sqr(Step1) * 現指数 * IV)

Gamma = Int(Step5 * 1000000 + 0.5) / 1000000

End If

Else

Gamma = 0

End If

End Function





これ、ガンマの計算式です。

例のごとく『コピペ』してみてください。

基本的な使い方はこれまでと同じです。

B8のセルには

『=Gamma(B2,B3,B4,B5,B6)』

と入力してあります。



ちょっと違うのはコール、プットともに共通の関数を使うということ。





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同じようにベガについてもやってみましょう。



Function Vega(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)

If IsError(現指数) = False Then

If 残存日数 <= 0 Then

Vega = 0

ElseIf 現指数 <= 0 Then

Vega = 0

ElseIf 権利行使価格 <= 0 Then

Vega = 0

ElseIf IV = 0 Then

Vega = 0

Else

Step1 = 残存日数 / 365

Step2 = Application.Ln(現指数 / 権利行使価格)

Step3 = (Step2 + (金利 + IV ^ 2 / 2) * Step1) / (IV * Sqr(Step1))

Step4 = 1 / Sqr(2 * Application.Pi()) * Exp(-(Step3 ^ 2 / 2))

Step5 = 現指数 * Sqr(Step1) * Step4

Vega = Int(Step5 + 0.5) / 100

End If

Else

Vega = 0

End If

End Function



使ってみるとこんな感じになります。

B8のセルには

『=Vega(B2,B3,B4,B5,B6)』

と入力してあります。

これもガンマ同様にコール、プット共通の関数です。




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前のところで説明してありますが、念のため…



ガンマはデルタ(株価の方向性に関するリスク・パラメータ)の変化を示すリスク・パラメータです。

ベガはボラティリティの変化に関するリスク・パラメータです。

【相場雑感】オプション・プライシング実践編④~デルタ

さて、次は下にあるデルタを計算するための関数を『コピペ』しましょう(^_-)



もう使い方は大丈夫しょうが念のため。





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引数はFVのときと同じです。

コール・オプションのときは『=CallDelta(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)』

プット・オプションのときは『=PutDelta(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)

を使ってください。



図では4月11日時点のデータでやっています。



ちなみに日経平均株価が9719.70円のとき、10000円の権利行使価格のコール・オプションのデルタは0.32(日経平均先物で0.32枚買っているのと同じ)。

それでは10500円になったときはどうなるのでしょう?





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現指数のところを10500に変えてみました。



するとデルタは0.81に増えます。

このデルタの変化がポジション・コントロール上で重要なのです。



プット・オプションでも同じように色々とやってみてください。



日経平均株価が10000円のときに11000円のコールと9000円のプット(ともに1000円ずつ離れたオプション)を同枚数ずつ売ったと仮定すると、10000円のときのポジション・デルタはほぼゼロ(金利分などもあるので若干ずれますが)。枚数を増やしても極端には変わりません。



その時点では方向性のリスクはあまりないから…とタカをくくってエライ目にあったのが、今回生じた個人投資家の巨額損失です。



このポジションを1000枚ずつ売ったとすると、1000円以上下がればデルタはどんどんプラスになっていき、限りなく1000に近づいていきます。



デルタが1000ということは先物を1000枚買っているのと同じ。つまり10円動くだけで1000万円の損益のブレになります。

たった1億円の証拠金で取るべきポジションではないことは明白ですね。



一見、方向性のリスクがなさそうに見えるポジションでも、その潜在的な変動リスク(デルタの変化)を知っておく必要があります。

その変化を数値的に示すのが『ガンマ』です。

次回はガンマの計算式を紹介しましょう。





Function CallDelta(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)

If IsError(現指数) = False Then

If 残存日数 <= 0 Then

CallDelta = 0

ElseIf 現指数 <= 0 Then

CallDelta = 0

ElseIf 権利行使価格 <= 0 Then

CallDelta = 0

ElseIf IV = 0 Then

CallDelta = 0

Else

Step1 = 残存日数 / 365

Step2 = Application.Ln(現指数 / 権利行使価格)

Step3 = (Step2 + (金利 + IV ^ 2 / 2) * Step1) / (IV * Sqr(Step1))

Step4 = Application.NormSDist(Step3)

CallDelta = Int(Step4 * 100 + 0.5) / 100

End If

Else

CallDelta = 0

End If

End Function



Function PutDelta(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)

If IsError(現指数) = False Then

If 残存日数 <= 0 Then

PutDelta = 0

ElseIf 現指数 <= 0 Then

PutDelta = 0

ElseIf 権利行使価格 <= 0 Then

PutDelta = 0

ElseIf IV = 0 Then

PutDelta = 0

Else

Step1 = 残存日数 / 365

Step2 = Application.Ln(現指数 / 権利行使価格)

Step3 = (Step2 + (金利 + IV ^ 2 / 2) * Step1) / (IV * Sqr(Step1))

Step4 = Application.NormSDist(Step3)

PutDelta = Int((1 - Step4) * 100 + 0.5) / 100 * -1

End If

Else

PutDelta = 0

End If

End Function

【相場雑感】オプション・プライシング実践編③~ボラティリティ

さて、とりあえずこれでオプション・プレミアム(価格)の理論価格を計算することは出来るようになったはずです。



つまりそのオプションが何日後にいくらになるだとか、日経平均株価がどれぐらい動いたらいくらになっているとか…。



それが出来れば損益シミュレーションは出来るようになりますよね。



ただ今回作成した関数『CallFV』と『PutFV』という関数には5つの引数がありました。



残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV



の5つです。



最初の3つは問題ないでしょう。

では最後の2つ、『金利』と『IV』はどの数値を入れればいいのでしょうか?



どちらも日経新聞のマーケット欄に出ているっちゃあ出ているのですが。



金利はどの数値が適当であるかは正直なんとも…。

昔はCD3ヵ月ものを入れていました。

金融機関などで一般的な資金調達手段として使われている金利が適当でしょう。

例えばTIBORとか。

ま、金利水準自体がエライ低いのでそれほどナーバスになる必要はありませんが(^^ゞ





で、問題なのは『IV』です。



『そもそもIVって何?』



っていう人のためにちょっと解説しておきましょう。



IV=インプライド・ボラティリティ



これはオプション・プレミアム(価格)から導き出されるボラティリティです。

つまり市場は今、変動リスクをどの程度織り込んでオプション・プレミアム(価格)を形成しているか、ということを計るものです。



一方で、ボラティリティには『HV(ヒストリカル・ボラティリティ)』というものがあります。

こちらは過去の値動きから変動率を計算したものです。



とりあえずこの二つを計算する関数をここでは紹介しましょう。



やり方は引き続き必殺『コピペ』でいきましょう(笑)



Function HVola(データ範囲)

Step1 = 0

Step2 = 0

データ数 = 0

For Each c In データ範囲

データ数 = データ数 + 1

データ位置 = c.Column

当日位置 = c.Row

当日値 = c.Value

前日位置 = 当日位置 - 1

前日値 = Cells(前日位置, データ位置).Value

式1 = Application.Ln(当日値 / 前日値)

Step1 = Step1 + 式1

Next

Step1 = Step1 / データ数

For Each c In データ範囲

データ位置 = c.Column

当日位置 = c.Row

当日値 = c.Value

前日位置 = 当日位置 - 1

前日値 = Cells(前日位置, データ位置).Value

式1 = Application.Ln(当日値 / 前日値)

式2 = (式1 - Step1) ^ 2

Step2 = Step2 + 式2

Next

Step3 = Step2 / (データ数 - 1)

Step4 = Step3 * 365

HVola = Sqr(Step4) * 100

End Function



この「=Hvola(データ範囲)」関数は選択範囲の期間ボラティリティを計算するためのものです。

使い方で注意して欲しいのは、前日からの変動を元に計算するため、欲しいデータ期間+1のデータが必要になる点です。



例えば、10日の期間ボラティリティを計算する場合は11日分以上のデータ期間が必要になります。

図のような感じです。





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で、この図のB14のセルには



『=Hvola(B3:B12)』



とい数式が入っています。

B2に一つデータを残しておくのがポイントです(もっとうまく関数作れよという話もありますが、15年以上も前に作ったものなのでご容赦を(^^ゞ)。





もう一つの「IV」は、計算式による解ではなく、近似解を導き出すやり方で関するを作ってあります。あまりに以上な数値や近似解を導き出せなかった場合は、20%という数値を表示するように設定してあります。



さぁ、ここでも『コピペ』でサクサクッといきましょう(^^)



Function CallIV(プレミアム, 残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利)

If IsError(プレミアム) = False Then

If IsError(現指数) = False Then

If IsNumeric(プレミアム) = True Then

If 残存日数 <= 0 Then

CallIV = 0

ElseIf 現指数 = 0 Then

CallIV = 0

ElseIf 権利行使価格 = 0 Then

CallIV = 0

ElseIf プレミアム <= 0 Then

CallIV = 0

Else

IV = 0.2

許容誤差 = 0.01

試験値 = 0

Counter = 1

Do While Abs(プレミアム - CallFv(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)) > 許容誤差

If Vega(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV) = 0 Then

IV = 0

Exit Do

End If

IV = IV + (プレミアム - CallFv(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)) / Vega(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV) / 100

Counter = Counter + 1

If Counter = 200 Then Exit Do

Loop

CallIV = IV

End If

Else

CallIV = 0

End If

End If

End If

If Abs(プレミアム - CallFv(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)) > 許容誤差 Then

CallIV = 0.2

End If

End Function



Function PutIV(プレミアム, 残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利)

If IsError(プレミアム) = False Then

If IsError(現指数) = False Then

If IsNumeric(プレミアム) = True Then

If 残存日数 <= 0 Then

PutIV = 0

ElseIf 現指数 = 0 Then

PutIV = 0

ElseIf 権利行使価格 = 0 Then

PutIV = 0

ElseIf プレミアム <= 0 Then

PutIV = 0

Else

IV = 0.2

許容誤差 = 0.01

試験値 = 0

Counter = 1

Do While Abs(プレミアム - PutFv(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)) > 許容誤差

If Vega(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV) = 0 Then

IV = 0

Exit Do

End If

IV = IV + (プレミアム - PutFv(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)) / Vega(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV) / 100

Counter = Counter + 1

If Counter = 200 Then Exit Do

Loop

End If

PutIV = IV

Else

PutIV = 0

End If

End If

End If

If Abs(プレミアム - PutFv(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)) > 許容誤差 Then

PutIV = 0.2

End If

End Function



CallとPutで使う式が違います。

必要項目は『プレミアム, 残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利』の5つです。



繰り返しになりますがオプションの世界でプレミアムといえば、オプション価格のことです。





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図のように数値を入力しました。

10000円コールのプレミアムは140円、残存日数は22日、現指数は9768.08円、権利行使価格は10000円、金利0.1%。



B8のセルには

『=CallIV(B2,B3,B4,B5,B6)』

という数式が入っています。



何もしないと0.2459…という数値になってしまうので、書式で%表示に直してあります。



ちなみに5つの項目をどれか異常な数値を入れてみてください。

20%という形に変わるはずです(異常値が出た場合の対応として)。





これで2つのボラティリティ

『ヒストリカル・ボラティリティ』と『インプライド・ボラティリティ』を計算できるようになりました(^^)


【相場雑感】オプション・プライシング実践編②~プレミアム

とりあえずやってみましょう!



ここで必要になるのは金融工学でもプログラミングでもなく、『コピペ(コピー&ペースト)』という必殺技です(笑)



まずExcelで新規のワークブックを作ってください。

念のため、セキュリティレベルを確認し、マクロを有効にしておいてください。セキュリティ・レベルは「中」ぐらいがいいでしょうか。



そしてVisual Basic Editerを開いて、「挿入」→「標準モジュール」を選択してください。





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とりあえずこんな感じになります。

真っさらな「標準モジュール」が出てきます。



そこに下記のややこしそうな部分を『コピペ』してください。





Function CallFv(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)

If IsError(現指数) = False Then

If 残存日数 <= 0 Then

CallFv = 0

ElseIf 現指数 <= 0 Then

CallFv = 0

ElseIf 権利行使価格 <= 0 Then

CallFv = 0

ElseIf IV = 0 Then

CallFv = 現指数 - 権利行使価格

Else

Step0 = Application.Ln(現指数 / 権利行使価格)

Step1 = 残存日数 / 365

Step2 = (Step0 + (金利 + IV ^ 2 / 2) * Step1) / (IV * Sqr(Step1))

Step3 = Step2 - IV * Sqr(Step1)

Step4 = Application.NormSDist(Step2)

Step5 = Application.NormSDist(Step3)

Step6 = Exp(-金利 * Step1)

Step7 = 現指数 * Step4 - 権利行使価格 * Step6 * Step5

CallFv = Int(Step7 * 100 + 0.5) / 100

End If

Else

CallFv = 0

End If

End Function



Function PutFv(残存日数, 現指数, 権利行使価格, 金利, IV)

If IsError(現指数) = False Then

If 残存日数 <= 0 Then

PutFv = 0

ElseIf 現指数 <= 0 Then

PutFv = 0

ElseIf 権利行使価格 <= 0 Then

PutFv = 0

ElseIf IV = 0 Then

PutFv = 権利行使価格 - 現指数

Else

Step0 = Application.Ln(現指数 / 権利行使価格)

Step1 = 残存日数 / 365

Step2 = (Step0 + (金利 + IV ^ 2 / 2) * Step1) / (IV * Sqr(Step1))

Step3 = Step2 - IV * Sqr(Step1)

Step4 = Application.NormSDist(Step2)

Step5 = Application.NormSDist(Step3)

Step6 = Exp(-金利 * Step1)

Step7 = 現指数 * Step4 - 権利行使価格 * Step6 * Step5

Step8 = Step7 - 現指数 + 権利行使価格 * Step6

PutFv = Int(Step8 * 100 + 0.5) / 100

End If

Else

PutFv = 0

End If

End Function



VBAでは



Sub ○○○



End Sub



で作られる一定の処理をするプログラムと今回のように



Function ○○○()



End Function



で作られる「関数」があります。

この関数はExcelのワークシート上で何かを計算するときに使います。

例えばいくつかのセルにある数値を平均するときは



=Average(A1:A5)



といった具合に入力すれば、その範囲(ここではA1:A5)の数字の平均値が計算されます。



ここで作った二つの関数はコール・オプションとプット・オプションの価格を計算するプログラムです。



引数はあえて分かりやすいように日本語を使いました。



で、Excelのワークブックの方に戻り、こんな感じで入力してみてください。

A列にあるのは単なる見出し(=変数名)です。





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そしてB列に数字を入力してみましょう。

とりあえずこのブログ作成時点で次のSQまで22日(残存期間)あるので、B2のセルには「22」という数字を入力します。

次にB3のセルには金曜日の日経平均株価の終値「9768.08」を入力します。

B4のセルには「10000(権利行使価格10000円)」

B5のセルには「0.1%(金利)」

B6のセルには「25%(IV)」



これらをただ入力しておいてください。

金利もIVもあくまで試しということで。



そして肝心なのはここから



B8のセルに以下の数式を入力してみてください。



=CallFv(B2,B3,B4,B5,B6)



すると「143.69」という数字が表示されるはずです。





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こんな感じ(^^)



うまく数字が表示されない場合は、

マクロのセキュリティレベルが高くて有効になっていないか、違うワークブックにマクロ(標準モジュール)が作られてしまっているなどの理由が考えられます。



で、うまくいったと仮定して…



関数の説明をしましょう。



例えば、B2のセル「22」を「12」に変更してみてください。

するとB8のセルの数値は「86.28」に変わるはずです。



つまり10日後のオプション価格はこのように変化すると予測されるのです。

これまでの説明で出てきた「タイム・ディケイ(時間的価値の減少)」です。



逆に日数はそのまま「22」にして、現指数のところを「10500」に変更してみてください。

するとB8のセルは「576.73」に変わるはずです。



つまり日経平均株価が10500円まで上昇した場合、10000円の権利行使価格のオプション・プレミアム(価格)は576.73円になると予測されるのです。



もうお分かりですね。

このように数値を変更するだけで、コール・オプションの価格がどう変化するかを計算することができます。

プット・オプションの場合は「=Putfv()」という関数を使ってください。



これをいくつか組み合わせていけば、オプションのプレミアム(価格)の変化をシミュレーションしていくことができます。



複数のオプションでポジションを組んでいたとしても、それぞれを計算し、そのポジションに照らし合わせれば、ポジションの損益推移を予想することができるのです。





※お願い

ちなみにやってみた人。うまくいった、いかなかった、ちょっとコメントもらえると助かります。

Excelのバージョンによっても色々と違うので、どこで引っかかるかイマイチ読めません。ある程度リアクション確認して、大丈夫そうなら先に進みます。

【相場雑感】オプション・プライシング実践編①

さて、オプションのプライシングについてより実践的な話をしていきましょう。



ここまでフィスコさんの『展望』で過去に連載していた記事を転載し、基本的なことを解説してきました。



でも実際にボラティリティの計算、デルタ、ベガ、ガンマ、セータ、(本当は期間の長いものを使う場合はロー)の算出、オプション・プレミアム(価格)がどう変動するかなどを計算するのは簡単ではありません。



情報端末などで、各権利行使価格のコール・プットのパラメータは拾えるでしょう。

でもそれはその時点での数値にすぎません。

日経平均株価が500円動いたら、その数値は別物になります。



それを計算するにはやはり自分自身である程度のプライシングが出来るスキルを身につける必要があります。



『金融工学』を学ぶ必要があるのです。

でも…本当の意味でそこまで理解できていなくても、Excelを使えばなんだかんだと素人でも出来ない話ではないのです。 ここでは数学がそれほど得意でない人でも何とかなっちゃうようなアプローチを伝えたいと思います。ちなみに自分も数学赤点の鬼でしたから(笑)



オプションのプライシングを行う場合、いくつかのモデルがあります。

代表的なのはブラック・ショールズ。

それ以外に二項分布(バイノミナル)、ハル・ホワイトなどの算出モデルがあります。



大証で取引されている日経平均オプションの場合、ブラック・ショールズを覚えておけば問題ありません。



それ以外を知る必要があるのは、アメリカン・タイプ(権利行使がいつでも可能なオプション)だったり、エキゾチック・オプション(ノックイン条項や様々な特殊な条件付きオプション)の場合、それだけでは難しくなります。



日経平均オプションは決済もヨーロピアン・タイプ(満期日(SQ)でのみ権利行使可能なオプション)だし、プレーン・バニラでシンプルなオプションですから、とりあえずそれだけでいいということです。



なのでブラック・ショールズに基づいたオプションの様々な計算をExcelでやっていきましょう。



その前にVBAを少しだけ知っておいてください。

とりあえずはExcelからVisual Basic Editerを表示させる方法(バージョンによって違います)だけでいいです。



VBAに関する基礎的な知識もあった方がいいですが、それはそれで別の機会においおいやっていきましょう(^^)





『俺(私)ややこしいの嫌い』



という人はここで読むのやめておいた方が賢明かもしれません。

自分もこの勉強したての頃、パソコン100回以上はぶち壊したくなりましたから(笑)

【コラム】フィスコ『週刊展望』今週のワンポイント~オプション取引⑩

フィスコ『週刊展望』今週のワンポイント(2001年)より


オプション リスク・パラメータ

べガ

 ベガとは、ボラティリティが1%動いたときにオプションのプレミアム(価格)がどれだけ変化するのかを示す数値です。オプションの売買で利益を上げていくためには、単純に相場の変動を読むだけではなく、時間的価値の減少(ポジションを取るタイミング)、そして現在のボラティリティの変化について考えていかなければなりません。現在のオプション・プレミアム(価格)が安いのか、高いのか、それを示しているのがボラティリティと言い換えることもできます。

 相場上昇を見込んでアウト・オブ・ザ・マネーのコール・オプションを買い、相場が予想通りに上昇しても全く儲からないで終わってしまうこともあるのです。ボラティリティが高い(オプション・プレミアムが割高な)ときに買ったために、ボラティリティの低下によるプレミアム下落、さらに時間的価値の減少が追い討ちをかける形で相場上昇による利益分を打ち消してしまったのです。こういったことは実際に珍しいことではありません。

 一般的に相場が荒っぽい動きをしているときにボラティリティは上昇し、もみ合い相場ではボラティリティは低下します。またボラティリティは相場下落のときに、より上昇しやすい傾向があります。これは機関投資家などが保有ポートフォリオの下落リスクを回避するためにプット・オプションを買い、ヘッジ(リスク回避)をかけてくるためです。こういったボラティリティの特徴などを考慮しながらオプション戦略を練っていかなければなりません。

 下のグラフに出ているように、残存期間が長ければ長いほどベガは大きくなります(ボラティリティの変化による影響を受けやすい)。またアット・ザ・マネーで最大になるという特徴もあります。言い換えれば、残存期間が長ければ長いほど、そしてアット・ザ・マネーのオプションが最も時間的価値を持っているということになります。


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フィスコさんのコーナーで書いたのはここまでです。

もう10年も前に書いたものなので、多少の追記をしたぐらいでそのまま転載してきました。


理由は、今回の暴落によって個人投資家の多くがありえないような巨額損失を出してしまったことがとても残念だったからです。

証券会社サイドももっとガンマリスクについてしっかりと考えたうえでストレス・テストを行っていればこんなことにはならなかったのではないかと思います。


オプションが怖いものではなく、そのリスクを知らない(もしくは安易に考える)ことがリスクなのだということを伝えたいと思っています。


そして少しでも取引参加者の皆さんにオプションを理解し、相場を考えること、そこでオプションを使って運用することを楽しんで欲しい。

そう願っています。


で、次回からは…

限定記事に切り替えさせていただきます(あんまり無償でなんでも出していると、それを生業にしている方々に文句言われそうなので(^^ゞ)。

ここまで解説してきたオプションのシミュレーションやリスク・パラメータ、損益予想をどうやってExcelを使って算出するかを書いていきたいと思います。

転載ではないので、少し更新に時間がかかるかもしれませんが…(^^ゞ



【トレード】ようやく(追記)

ようやくまともな収益上げられました(^^)

ロットは30枚と未だに小さいものの、要所要所をしっかり値幅抜く本来の自分のスタイルを今日は貫けたし、相場にも合っていたのでいいリズムでポジションテイク→利食い→待ちという流れをしっかり出来た。チャートを見ながらうまく乗れたので自分としてはようやく合格点かな。

もう少しデカイ玉でいける状況まで早く持っていきたいけど、焦りは禁物。
しばらくはしっかりと積み上げるプロセスを固めないとね。

しかし、日銀のETF買い恐るべし。
散々指数を歪めた挙句、結局上とはね…(-_-;)

今週、日経平均株価は前週末比△59.69円高。
そしてTOPIXは▲9.49ポイント安。

この歪みに振り回された市場参加者は多かったんじゃないかな(^^ゞ

新年度入りからいきなり難易度の高い相場展開でした。

ちなみに今週の日経平均採用銘柄をみてみると

値上り 77
値下り 141

値下り銘柄数が値上り銘柄数の倍近くもある…(-_-;)
なのに指数はプラス。

上げの主因はFリテくん。

ファーストリテイリングだけで△50.17円もの上昇要因となっています。
今週の上昇幅のほとんどがこの一銘柄の上昇で説明がついてしまう状況でした(^^ゞ

ついでにファナックで△19.67円、ソフトバンクで△13.24円。
騰落状況とかをみる限り、前週末比マイナスのTOPIXの方が実態を表しているとは思いますが、日経平均株価って怖い指数だな…と改めて思う一週間でした。

【コラム】フィスコ『週刊展望』今週のワンポイント~オプション取引⑨

フィスコ『週刊展望』今週のワンポイント(2001年)より

オプション リスク・パラメータ

セータ
 前にオプションのプレミアムには、本質的価値と時間的価値があることを説明しました。オプションは毎月SQで清算されます。その清算日までの残存期間が長ければ長いほど時間的価値は高まります。単純にいえば、3日で1000円動くよりも、30日で1000円動く方が可能性としては高いですよね。その分、オプションの時間的価値も高い訳です。そしてSQが近づいていくにつれ、その可能性は減っていくため(時間的価値の減少)、プレミアム(価格)も安くなっていき、最終的には本質的価値(コールの場合は現指数-権利行使価格)だけとなり、時間的価値は消滅します。この時間的価値の減少のことをセータと呼びます。この数値は一日経過したときに、プレミアム(価格)がどれだけ減少するのかを示すものです。

 ガンマショート(オプションを売る)のポジションにおいては、このセータが味方になります。日数が経過すればするほどプレミアムが下がり、そのポジションは収益を生み出していきます。下のグラフは、指数が11000円の時のアット・ザ・マネーのコールオプションの価格を日数経過に従ってシュミレーションしたものです(ボラティリティは25%と仮定)。残存期間が短くなればなるほど、時間的価値は加速的に減少していきます。


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 逆にコールオプションを買う場合、この時間的価値の減少に十分注意を払わなければなりません。セータ(プレミアムの減少率)はアット・ザ・マネーの時に最大となり、そして残存期間が少なくなると減少率は増加していきます。こういった特徴を念頭におきながら戦略を練っていく必要があるのです。

 オプション戦略の一つの方法として、オプションを売り(ストラングル、ストラドルの売り)、先物を使ってデルタを極力ニュートラルに調整すること(デルタ・ヘッジ)によってリスクをコントロールしながら、時間的価値の減少を収益につなげていく方法があります。
 
 またこの残存期間の差によるセータの落ち方の差を取りにいく方法として、カレンダー・スプレッド(期近売り期先買い)なども考えられます(自分はやったことありませんが)。

 このようにオプション戦略において重要なことは、相場の流れを読むことだけではなく、ボラティリティの変化を読むこと、そして時間的価値の減少をどう読むかも重要な要素になっていくのです。リスクパラメータの性質を理解するということです。

 より専門的かつ高度なレベルのオプション・プレーヤーはOTC(相対取引)によって1年~2年先のオプションも使って『より立体的』なポジション運用をしている人もいます。

 自分にとってはその姿をみて、正直カルチャーショックでした(^^ゞ日系中小証券でそこまでの運用をしている人は皆無ですから。運用の世界の広さを感じた一幕でもあります。

【日常】(若手)ディーラー飲み会

今日は(若手)ディーラー飲み。
念のため確認しておくと、自分は(若手)ではなく(おじさん)。

今回はみんなに声かけて集まってもらいました。

同年代の仲間は財産になる。
自分の経験からそう思う。

刺激にもなるし、支えあえる仲間にもなる。

昔からの知り合い。
最近知り合った人たち。

みんなをつなげたくて企画して、後輩に手伝ってもらって14社から40人。

まだディーラーとして一年~二年の若手。
若いけど各社のトップに立つようなメンバー。

みんなが刺激しあってデカクなっていって欲しい。
そして運用の世界で夢を追って欲しい。

みんなが夢見れるような業界を作っていくのが、自分たちの世代の役割。

夢物語かもしれないけど、その中から世界で通用するような運用者が生まれてくれたら…なんてことを思う今日この頃です。

運用の世界では、日本はマイナーリーグ。
世界的な運用をしている海外のヘッジファンドの人たちと出会い、自分の小ささを思いしりました。

彼らがいつかメジャーにうって出て、日本は運用・金融ビジネスでもすごいと認められるようなときがきっと来る。

だって日本は世界的に有数の個人金融資産を持つ国なのだから。
 

【コラム】フィスコ『週刊展望』今週のワンポイント~オプション取引⑧

フィスコ『週刊展望』今週のワンポイント(2001年)より

オプション リスク・パラメータ

ガンマ

 前回、解説したデルタはアウト・オブ・ザ・マネーであればあるほど0に近づき、アット・ザ・マネーで0.5、そしてイン・ザ・マネーになればなるほど1に近づいていきます。このデルタの変化(傾き)を表すのがガンマです。同じ10000円のコール・オプションでも日経平均株価が9500円の時と、10500円の時とではデルタは全くことなりますし、そのリスクも大きく違ってきます。つまり見た目上デルタがニュートラルであっても、翌日に相場が急落した場合、ガンマによって大きな変化が生じ、大きな損失を生むこともありえるのです。例えば、前に解説したストラドル(ストラングル)の売りなどはコールとプットを同時に売るため、デルタが大きく傾くことはありません。そのデルタだけを見ていれば、日経平均株価が上がろうが、下がろうが、一見あまりリスクはないように見えます。しかし、翌日日経平均株価が急落し、1000円下がったとしたら、そのポジションは多大な損失を生むことになります。その要因となるのがガンマリスクなのです。オプションのリスク・パラメータにおいて最も分かりづらいパラメータかもしれませんが、ガンマはそれほど重要なものだといえます。

 ガンマがマイナスであるとき(ネガティブ・ガンマ)、そのポジションは相場が変動しなかった場合に利益となります。逆にガンマがプラスであるときは相場が大きく変動した場合に利益となるのです。

 では実際にシュミレーションしてみましょう。日経平均株価10000円の時、同権利行使価格のコールとプットを10枚ずつ売ったとします。日経平均株価10000円の時のデルタはほぼゼロです。つまり見た目では相場変動に対してあまりリスクを負っていないように見えます。しかし、日経平均株価が1000円下落したとき、そのデルタは限りなく10に近づき、その想定損失額は700万円にもなります。しかも相場が逆に上昇しても同じなのです。

 相場の方向性(=デルタ)がゼロのはずなのに相場変動で損失が出る。その要因がガンマにあるのです。
 このようにその時のデルタだけでリスクを考えていると非常に危険です。株価変動とともにデルタは変化します。その変化を示すガンマと合わせてポジション運営をしていく必要があるでしょう。

 ガンマの値はアット・ザ・マネー(権利行使価格と日経平均株価が同じ水準)のときに最大値となります。つまり、アウト・オブ・ザ・マネー(権利行使価格の遠いオプション)のときはガンマが小さくても、株価の下落によってそのプットオプションの権利行使価格に近付けば近付くほど、雪だるま式にデルタは傾いていきます。




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tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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