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【マーケット】最近の米国市場で話題になっていることに思う

まぁ常識的なコメントだよな。

「共闘」買いで株価乱高下、影響や対策は?専門家に聞く: 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN020DY0S1A200C2000000

空売り=悪
と決めつける人は未だに少なくない。
ただ市場は時として異常な価格を形成する。
バブル然り、暴落然り。

日本でもTwitterや2ch、Yahoo掲示板といったSNSを通じて煽りコメントを多発する人も少なくない。フォロワー数の多さを利用して煽りコメントを出すことで追随買いを誘発し利益を得ようとする人たち。

自らの影響力で市場を動かそうとする。
正直、見ていて気持ちいいものではない。
一歩間違えれば…ギリギリのところだろう。
でもそういった人がいるのも相場。昔からそういう人たちはいた。
ただSNSの発展に伴い、個人の発信力や伝達力が飛躍的に伸びた結果、軽視できないほどの影響力を持つようになった。

自らの目で株価を評価し、割安なのか、割高なのかを判断する。
市場は操作するものではなく、あくまでも市場との対話が本来あるべき姿だと思う。

市場を動かす、操作する、相場を煽る。
こういった行為自体が傲慢なのだと思う。
あくまで我々は市場の中で生かされている存在に過ぎないのだから。

高度経済成長期ならいざ知らず(足元は高値更新し続けているけど…)、必ずしも経済が拡大一辺倒ではなくなった国の市場においては、株が上がるだけではなく下がることも多い。どちらかといえばバブル崩壊後の日本市場は低迷期の方が長かった。そういった市場の中で、買い(=上昇)だけで安定したリターンを得続けることは簡単なことではない。(割高な銘柄を)売るというアプローチも十分合理的なアプローチだ。

株の売り方は、株を借りるためにレンディングフィーを支払わなければならない。それはこの低金利の時代において、お金を借りることよりもはるかに割高なコストを負担する。しかも、買いは下がってもゼロだが、売りでの上げは青天井だ。売りの方がよほど怖いし、リスクコントロールが非常に重要になる。
GameStop株で大きな損失を出したヘッジファンド。
ショートスクイーズ(踏み上げ)が一番過激に相場が上がる。
昨年、後輩に自分が伝えた言葉。

「バブルで高値をつけるのは売り方の踏み。暴落で底値をつけるのは買い方の投げ」
どちらも狂乱的な状況に陥った市場の中で、クレバーと思っていた人たちが、暴力的な相場や大衆行動の怖さを軽視し、リスクコントロールを誤ったときにその立場に陥る。

長い目で見れば正しい判断かもしれないが、その異常値を耐えられるようにリスクを抑制しなければ巻き込まれてしまう。

明らかに異常な価格形成、割高な株価だったからこそ、ヘッジファンドは売りで向かったのだろう。その異常さに自信があったからこそリスクも大きく取った。しかし、大衆行動の怖さや暴力的な市場に対して、ファンドとしてのリスク許容度とのバランスが必ずしも適切ではなかったから大きすぎるドローダウンになったのだろう。リスクを取り始めたとき、その運用者にはその異常な株価形成が「大きな(売りの)チャンス」に見えたはずだ。そして市場の暴力に巻き込まれて自分が踏み上げ、高値をつける羽目になった。

個人(大衆)が市場に参加し、一般化することはとてもいいことだ。
ただときとして大衆の行動は感情的にもなりがち。
今回のことは規模は小さくても日本でも起きている。

日本は特になにか市場に問題が起きると、よく理解できないもののせいにする人が多い。
特に困ったことに、相場解説者とかプロを自称するような人にこそ、理解不足から決めつけるようなコメントを出される人が少なくない。
かつては先物取引や裁定取引、そして昨今ではHFTやヘッジファンド。
なんかあったらそのせいにする。

その実務を知っていれば、何か悪者に仕立てて説明すれば済むようなものじゃない。
市場はもっと複雑で、大きなものなのだから。
市場は様々な人が参加し、売りと買いがぶつかるからこそ成立する。
市場で最も重要なことは「多様性」だと自分は考えている。

個人投資家も、ヘッジファンドも、HFTも市場には重要な市場参加者だ。
それぞれの視点から市場と向き合い、市場の価格形成に寄与している。
どちらが正義とか、間違った存在とかではない。
個人投資家にも、ヘッジファンドにも、HFTにも問題のある行動をとる輩もいる。
だからといってその全体が問題ありと決めつけるのも間違い。
市場においては、勝つも負けるも常に紙一重。
今日まで勝ち続けてきたからといって、明日も勝てる保証はない。
常に自分は間違いを犯すリスクがあることを自覚したうえで、市場に対して謙虚に対峙し、対話し、リスクコントロールを忘れずに向き合うことが大切。

一つの戦略が常に機能し、正しいわけでもない。
市場は常に変化し、ものすごく複雑かつ様々な条件によって表情を変える。
だから「絶対」はないし、決めつけることはとても危険な行為だ。
その不安と向き合うために、懸命に調べたり、学んだり、分析したりしながら自分の見通しを信じられるものにしようと努力する。
それでも負けた以上、「市場がおかしい」のでもなく、「市場が間違えている」のでもない。
そんなおかしな動きをするだけの要因がどこかにあったはず。それを見落としていたか、軽視してしまっていたから、結果として自分が負けた。
市場の中で生かされているに過ぎない自分達にはその謙虚さが大切なのだと思う。
それが長く市場で生きていくために必要なことだろう。

【雑感】コロナ禍の一年を振り返って②

今年は「暴落」と「バブル」を一年の間にやってしまっているような印象を持っています。
もちろんこんな相場は自分にも経験がありません。

『下にも上にもいくとこまでいかないと止まらない相場』
という印象です。
だからこそ間違ったとき、合わなかったときにロスカットやリスク回避の動きを適切に取れないと致命傷になりかねない。負け方が難しい相場だったと感じているのだと思います。

「暴落」のとき、底値をつけるのは買い方の投げ。
「バブル」のとき、天井をつけるのは売り方の踏み。

今年、何度かそれを言葉にしました。
ミクロのファンダメンタルズを見て、バリュエーションにこだわり、こんな株価はおかしいと考え、握りしめていた人が損失に堪え切れなったところが底値であり、天井になった。

新規で売る人、新規で買う人は「儲けたい」という意識があるから、出来るだけいい価格で買いたい(売りたい)という行動が基本になります。
しかし、ロスカットに追い込まれた場合は、価格を無視して買わなければならない(売らなければならない)状況になっていまう。
暴落時、バブル時、訳の分からないような上げ下げをしたときに、概ねそういった動きが発生しています。そこで底値や天井をつけている場面を、今年は沢山見ることになったと思います。
新規でポジション取るにはとても入れないような値段をつけてしまう。皮肉なことに、論理的に考え、現在の株価が異常値だと考えている人ほど異常値をつけてしまう状況に追い込まれる。

ニュースをみていると、倒産や店舗閉鎖、人員削減、自殺者増加…そんなヘッドラインが毎日のように流れている中で、株価はバブル崩壊以来の高値を更新している。
しかも、その上昇も非常に限られた銘柄で実現されていて、自分の経験の中では見たこともないような銘柄間格差も生まれている。
とても理屈では理解し難い相場、そう感じてもしょうがないと思います。

今年の相場は、ファンダメンタルズよりも需給で動いた一年だったと思います。
下げるときは売りが売りを呼ぶ。
上がるときは、買うから上がる、上がるから買う。
モメンタムが極端に効いた一年。
短期で値動きを取りにいく人とか、流れに乗れた人にはとてもやりやすい一年だったかと思います。

もう一つ、自分が何度か話したことがあります。
暴落のときの底値は比較的分かりやすく、底をつけるタイミングもほぼ同じ時期になる。
バブルのときは天井は比較的分かりづらく、天井をつけるタイミングがズレやすい。

これは株式市場の市場構造によるものだと考えています。
基本的には、買い方が圧倒的多数であり、売り方というのは限定的な存在です。
暴落時、買い場を待ち構える待機資金は非常に多く、コツンと底値をつけたと感じたとき、その待機資金が一気に流入してくる。売り方は、積極的に新規で売る人はそんな安い水準で追いかけていくようなことはあまりしないので、戻るときはほぼ同時に、それなりの反発力で戻りやすい。

バブル時、売り場を待ち構えている待機資金はそれほど多くはなく、買い方は非常に儲かっている状態なので余力が豊富にあり、先導銘柄が天井をつけても、「次」を探す。なので個別銘柄でも、指数でも天井をつける時期などにズレが生じやすく、何度か再度高値トライする動きも起きる。バブルの天井というのはある程度振り返ってみて、「あそこが天井だったか」というパターンになりやすい。
実際に、自分が経験したITバブル期。日本市場をけん引したのは光通信やソフトバンクでしたが、それらの銘柄が天井をつけたのは2000年2月。日経平均株価の高値は4月。米国市場のS&P500やナスダック指数は3月。ちょっとずつ時期がズレていたりするのです。

今年10月にマザーズ指数が天井をつけたときも予兆はいくつも出ていました。先導銘柄といえる銘柄群がかなり下がっているものが散見されはじめていたし、明らかに踏みと思われる天井形成の動きもいくつも見られました。危険な兆候はいくつもあったけれど、バブル的に沸いているときは、でも次があるんじゃないか、もう一発あるんじゃないか、と考えてしまう。それが裏切られてようやく…という状況だったのではないでしょうか。

一年間の間に、こんな下落も上昇も経験するなんて、まぁすごい一年だったなと思います。
ただそれを「異常」と言ってしまえばそれまで。
相場にはそうなるだけの理由がそこにあるし、どんなに「異常」に思える相場でも、なぜそうなってしまっているのかを考える努力をせず、自分の理解の及ぶ範囲や経験則の中でだけ決めつけてしまえば適応することは出来ない(この相場に合わせてしまうことが長期的に正しいは思いませんが)。自分の運用に自信があったり、確信的なものを持っているほどその切り替えが難しかったりもします。
でも相場の中で生かしてもらっているに過ぎない我々が相場を否定してしまってはいけない。

「異常」に感じる=自分の常識や経験では理解ができない相場

だとしたら、なぜそんな動きになっているのか、自分なりに納得できる理由が見つかるまではリスクを抑える必要もあるでしょう。「相場がおかしい」「相場が間違っている」といって消えていった運用者を数えきれないほど見てきました。その価格がついてしまっている以上、その現実と向き合い、その要因を理解する努力を続けることでしか、運用者が生き残っていく道はないと思うのです。

そして当然、そうなった理由は「コロナ」でしょう。
スペイン風邪以来、100年振りのパンデミック。
それが社会に与えた影響や、緊急対応的な極端な中央銀行の流動性供給、不透明になった企業業績など、それらの全てがパンデミックに起因しています。

コロナによるパンデミックを軽視したり、それが与えた社会変容や経済・企業への影響を軽視してしまった人…というよりも、市場が過大評価していたとしても、その市場の評価と自分の評価にズレが大きかった人が非常に厳しい状況に追い込まれた印象があります。

足元の感染者拡大が懸念される状況の中で、ワクチンの開発や接種開始の報道も増えてきます。
来年は、社会経済活動が正常化に向けて進む一年になることを期待しています(相場的にというよりは生活や社会活動の面で)。
それによって来年は大きく相場つきも変わってくるかもしれません。
コロナによって生じた極端な歪みは、コロナの終息によって元に戻っていくかもしれません。
今年、機能しなかったものが機能するようになり、今年の極端な相場しか知らない人にとっては、それが通用しない相場になるのかもしれません。

ただ不可逆的なものもあります。
一度、この一年を振り返り、コロナが社会や相場に与えた影響を整理しておく必要はあるでしょう。

気まぐれブログなので、またいつ更新するか分かりませんが、
コロナ禍で苦難に直面している多くの人に、来年は明るさが感じられる一年になることを心から願っています。

【雑感】コロナ禍の一年を振り返って①

『いつ振りだろう?』
と自分で思うぐらい、久し振りにブログを更新します。
何か伝えたいものやメッセージがあったときに書くぐらいの気まぐれブログなので…。

コロナ禍の一年。
人生が変わってしまったり、未来が閉ざされてしまったと感じてしまうような状況に追い込まれた人も少なからずいたと思います。
自分にとっても、とても苦しく辛く、長い一年でした。

自分が暮らしているシンガポールでは、足元のコロナ感染者は市中感染はほぼゼロが続いています。
一時期、破綻しかけていたドミトリー(外国人労働者が主に暮らす寄宿舎)の感染拡大も抑え込みに成功し、毎日政府からのWhatsAppでの通知に出てくる感染者は、ほぼ全て海外からの渡航者です。水際対策も強固なものがしかれているため、外で買い物したり、食事したりする際に感染への不安を感じることはあまりありません。

TraceTogetherというアプリのインストールを義務付けられており、ショッピングモールや店舗・レストランに入るには、そのアプリを使ってSafeEntryという入退室管理と体温測定をしないと出入りが認められないため、感染経路の把握もしっかりしています。実際に自分が訪れたショッピングモールで感染者が出たという警告通知などもきていました。熱があれば、どこのお店にも入れないので結局発熱があったりすれば外出もしなくなります(自分は幸運なことにこの期間ずっと平熱でしたが)。

Covid-19対策という面では、シンガポールは成功している国と言っていいでしょう。
それもこれも国のリーダーシップと規制・罰則が明確だからでしょう。
不平不満があっても、それは政治にいきますから、民間での認識の相違による揉め事はあまり目にしません。

ここまで成功しているからには、規制や罰則も厳しいものがあります。
自分はサーキット・ブレーカー(CB)になる前の2月下旬から、未だに在宅勤務を継続しています。
オフィスの利用率制限や、チーム分けを行ってビジネスの継続性を担保することなど、政府から明確なガイドラインを示されており、それに従う必要があります。
基本的には、オフィスじゃないと業務が出来ない理由が示せない限りは、在宅勤務をさせなさいというスタンスです。
チーム内のコミュニケーションもオンラインが基本。
かつてあったような雑談や、メシを一緒に食ったり、飲んだり…そんな日常は失われたままです。

レストランも営業時間は22時半まで。
それ以降に営業していたりすると、店舗は営業停止に追い込まれます。
集まっていい人数は5人まで。
それを超えて集まっていると厳しい罰則が待っています。
マスク着用は義務(運動時などの場合を除く)。
こちらも違反すれば罰金です。
規制に違反した人が、ビザはく奪されて帰国せざるをえなかった例もあると聞いています。
カラオケ店や接待を伴う飲食店、(外国人向け)観光ビジネスは完全にクローズ状態。

何度か日本への一時帰国も考えましたが、シンガポールに戻るにあたってはSHN期間(14日間)の問題があります。指定されたSHN施設(政府が確保しているホテル)での滞在が義務付けられており、その費用は一人2000SGDを自己負担する必要もあります。
また一度海外に出てからコロナに感染した場合、その医療費については自己負担になります。おとなしく国内にとどまっていれば、政府がその治療費はカバーしてくれるので、医療費が高額になりがちなこの国においては、それも大きなリスクです。
通常、民間保険会社の保険に加入するのですが、保険の内容によってはパンデミックは適用外という場合もあるので要注意です。骨折一つで数十万円かかりかねないこの国ですから…。

こんな風に日常は大きく変わってしまったままです。
それだけの行動制限と管理体制の下だからこそ、今こうして安心して外出したり、人と会ったりも出来るようになってもいます。

毎日、日本のニュースを見ていて感染者が増え続けていく状況を心配しています。
大切な家族や友人がそこにいますから、他人事ではありません。
前回、家族とあったのは、2月だったかな。
オンラインでしか会話できていません。それでもLINEもZOOMもない時代に起きていたと想像したら、かなりマシですけど。

この一年ほど家に居続けたことはありません。
でもそれを乗り越えることができた理由にもなった嬉しい出来事もありました。

そしてこの一年のマーケット。
スペイン風邪以来の100年振りのパンデミックと、それが市場に与えた大きな歪み。
その中で、すごくうまくいった運用者もいれば、とても苦しんでしまった運用者もいます。
マーケットで起きていたこと、様々なものを見ながら、自分もそれに寄り添い、向き合い、悩みました。日本にいる後輩達や様々な立場の人とも向き合ってきました。
引き籠りなんで、全部オンラインですけど…。
ホント運用者も二極化だったと思います。

自分も含めて経験したことがないような事象(パンデミックとそれが与えた社会変容)の下で、中央銀行の金融政策をはじめ、様々なものが極端な状態になり、見たことがないようなレベルでの歪みを市場にもたらしました。
そのマーケットへの適応ができた人と、従来の考え方や経験に基づくアプローチにこだわってしまった人。そこに大きな差がついてしまったのかなと感じています。

ただ相場の中で、負けること、間違ることは必ずあります。
今年、何度か後輩たちに伝えた言葉。
「負けてもいい。間違えてもいい。ただその負けで運用者としての未来を閉ざすような戦い方だけはするな。」
負け方がどれほど難しく、そして重要であるかが問われた一年でもあったと思います。
もちろん勝っていたり、うまく乗り切っている後輩も少なからずいますが、今年は特に「負け方」が難しい一年だったと感じています。

切り替えさえできれば、こんなに極端に動くマーケットは大きなチャンスにもなったはず。
だからといって、切り替えができなくて、うまく乗れなかったからといって、通常の(我々の経験則の範囲で推し量れた)マーケットで稼ぐ力までが否定されるわけではありません。
大事なことはリングに立ち続けること。
現在のマーケットに合っていない、見えていない、こんなの理解できない、そう感じている時は勝負にこだわらず、ガードを固めて耐える時期も必要。
相場を俯瞰し、冷静に、客観的に見直し、見えていなかったものが見えてくるまで待つことも大事。

そういうときに「損を取り返す」という主観や自分の気持ちだけで向かっていけば、必ず追い込まれてしまう。相場は自分の都合では動いてくれないのだから。
どんなに利益を出しても、どんなに損失を出しても、それは過去に過ぎない。
運用者である以上、現在と未来が大事。
過去を引きずって、現在と未来にバイアスかけてしまったら、それはうまくいかない。

若い運用を志す人たちに、運用者としての未来を創る。
夢を実現できる道筋を創る。
それが自分がこの十年志してきたものです。
現在がどんなに困難でも、これからまだ苦しいことが沢山あったとしても、そう簡単に諦めたり投げ出したりすることは出来ないと思っています。

お金も経験もない若者が運用者として挑戦できる場所としてのディーリング。
そこで運用を経験し、学び、成長するプロセス。
そしてより大きな運用をしたい者は、運用者として投資家の資金を受託し、より大きな世界で戦える場所(ファンド)にいける。

ファンドを作るプロセスは、語学だけではなく、専門的な知識も必要だし、日本法のみならず、IMの所在地(例:シンガポール)の法律や税制、ファンド(例:ケイマン諸島)の所在地の法律や税制を理解しないといけないし、コンプライアンスやAMLについても色々と厳しく求められることが多くあります。もちろん第三者からお金を預かるには、法律に基づいたライセンスや認可が必要にもなります。
成功している個人投資家でも、将来ファンドを立ち上げたいと思う人もいるでしょう。『稼ぐ能力には長けているけれど、そういった面倒なことはちょっと勘弁』。いつかそういう人たちにも道を作っていければいいなと思ったりもしています。

十年前にそれを語っていたとき、自分以外の誰もそれが形になるとは信じていなかったと思います。
それが形にはなっている現在がある。
まだ自分の夢を追いかけている後輩たちが沢山ここに居てくれる以上、それが自分のモチベーションであり、強さにもなります。

「強さ」にも色々とあります。
硬いけれどポキッと折れてしまうような「強さ」ではなく、しなるけれど折れない「強さ」を。
負けることがあってもいい、負けから学び、経験とし、成長し、より強くなればいい。
「この人すごいな」、「この人強いな」、と思う人はみな、挫折を経験し、それと向き合い乗り越えてきた人たち。
苦しい時だからこそ、見えるもの、感じられるものもある。
一つ残らず無駄にせず、未来に繋げていけばいい。
それを出来たとき、運用者としても、人としても、必ず大きく成長する。

それぞれの運用者に夢があり、未来があります。
だからこそ、一つの勝負、一時期の相場で、全てを賭けてしまうような勝負をし、未来を閉ざしかねないような戦い方をしないこと。
マーケット(人生)はまだまだずっと続くのだから。

ここ数か月、何人かの後輩にかけたメッセージです。

【マーケット】想像力の大切さ

【想像力】これってとても大切なものだ。


現在、起きていることから将来を予測していくうえではとても大事なもの。


人間の思考や予測には、常にバイアスがかかるものだ。『自分は新型コロナウイルスにはかからない』『自分の国は大丈夫』…。何故か、自分はそのリスクには自分は直面しないと都合の良い方に解釈しがち。『楽観バイアス(認知バイアスの一つ)』というものらしい。


そこにポジション抱えていたら、そりゃ余計にそう考えたくもなるだろう。楽観バイアスは必ず強化されてしまう。どんなに論理的に、客観的に考えているつもりでも。


自分が現役時代、失敗したり、読み誤ったと判断したら、すぐにロスカットし、ポジションを極力フラットにしていたのは、自分の中にあるそういったバイアスを排除するためでもあった。


【楽観バイアス】
https://www.google.com/amp/s/www.weblio.jp/content/amp/%25E6%25A5%25BD%25E8%25A6%25B3%25E3%2583%2590%25E3%2582%25A4%25E3%2582%25A2%25E3%2582%25B9


今回の新型コロナウイルスの感染拡大と、世界のマーケットで起きた大混乱は、それを改めて痛感させられる展開だった。


武漢の人々、中国の人々がパニックを起こし、東京に匹敵する規模の都市が封鎖されても他人事としてしか捉えず、過剰かつ滑稽なまでに感染を恐れる人々をテレビやSNSを通じて見て、それを笑っていた人がどれほど多かったことか。想像力の欠如なのか、楽観バイアスによるものなのか…。


そして現在、そのリスクが自分たちの身にも降りかかってきている。その結果が、このマーケットであり、世界で起きている混乱なのだろう。


ポジションがないからこそ、客観的にも判断できるし、バイアスをより排除しやすいこともある。


このリスクに警鐘を鳴らした人はごく僅かだった。出てくる数値や情報を把握、分析し、予測する。自分はそう心掛けて、最悪を想定していたつもりだった。でも世界の現実は、その予想すら超えている。


自分は、世界の主要国での感染拡大は、中国の武漢以外の主要都市レベルで抑制出来ると期待していた。まさかイタリアを中心とした現在のヨーロッパのような状況を見ることになるとまでは予想できていなかった。


株価についても、その予想の根底が間違っている以上、想定していたよりも厳しいことになっている。


なんだかんだいっても、世界の経済や金融の中心的な存在である米国。この国が欧州のような状況に陥る可能性を考慮し、オリンピックが延期もしくは中止に追い込まれるリスクまで考えれば、『鍋の底はもう一回抜ける』かもしれない。


GPIF、日銀、自社株買い。先週の主要な買い手はこの辺だろう。全体的なリスクオフ、現金化の流れは変わっていない。それがアルファの崩壊や、REITの暴落に現れている。少しは落ち着くかもしれないが、この手の動きは連鎖することには注意が必要だ。



論理的に考えれば、『異常な価格』なんだと思う。数ヶ月、数年というタームで見れば、チャンスなのかもしれない。でも過剰流動性に支えられて生み出されてきたリスクマネーは、現在パニックを起こしている。いち早くリスク資産から逃げ、余力を残している人だけが、そのミスプライスをチャンスにも出来るのだろう。


『想定していなかった状況』に陥ったとき、そのまま取り返そうとバタバタもがくのではなく、いったん冷静さと客観性を取り戻す意味でも引いて待つことも大事だったりする。自分の中にある『バイアス』を除外するためにも。予想外の状況にある時点で、負けを認めるべきなのだから。


『取り返したい』『(予想もしていなかった)損失に感情的になる』『こんな水準で切りたくない』
そういった感情は主観的で自分の都合でしかない。
それがよりダメージを大きくする。



新型コロナウイルスの感染拡大は、欧米でピークに向かいつつある。抑制できているかに見える日本やシンガポールも、まだまだ予断を許さないだろう。特に日本はオリンピック開催がどうなるかによっては、もう一段のダメージを受ける可能性もある。中南米やアフリカでは致死率も高くなりやすいはずだ。マーケットへの影響は欧米がピークアウトしてしまえば落ち着くだろうが。


欧米での感染拡大がピークアウトすれば、マーケットは一定のリバウンド(数十%程度は)はしていくだろう。ただ今回のあまりにも大きく、急激に起きた暴落が、金融市場や経済に与えたダメージは計り知れない。


次の火薬庫に連鎖していくリスク。


リーマンブラザーズはいきなり倒産したわけではない。2007年に起きたサブプライムローン危機、クオンツの混乱とパリバショック、ペアスターンズの破綻、そしてリーマンだった。


中央銀行の政策に依存しきっていた各国政府や中央銀行に、こういった連鎖を止める力があるのかどうか?


償還のないリスク資産を買い入れ続けた日銀は既に多額の評価損失を抱えている。だいぶ前にアベノミクスや黒田日銀の取った政策の評価は十年経たないと適切な評価は出来ないと書いたことがあった。出口までうまく辿り着けるのか疑問だったからだ。そして今また世界の中央銀行の資産は急膨張していこうとしている。


これからの展開、そして中・長期的な予測においては、バイアスをもたずに、客観的に見極めていく必要があるだろう。特に債券市場の動向には注意しておきたい。

【雑感】乗り越えるために

孫さんが、100万人のPCR検査を支援すると表明したら批判が殺到し、2時間後に撤回を検討する…ってことが昨日あった。

検査人数が急増したら、感染者数が急増して医療崩壊を起こすと。
日本は検査が十分じゃないから隠れ感染者が沢山いるんじゃないかと言われ、政府への批判が続いていたのに。

武漢、そしてイタリアも医療崩壊を起こしかけている。どちらも共通しているのは致死率が高いということだ。
スペインも首都近郊で急増し、かなり深刻になりはじめている。

医療崩壊のリスクとしては、米国がかなり心配な気がする。
シンガポールも同様だけれど、医療費は非常に高額になりやすいし、公的医療保険制度がないので個人負担が大きい。民間保険は「パンデミック」認定されていると保険が使えない免責がついている場合が多い。
自分も武漢閉鎖のときに最初に思ったのは致死リスクではなく、医療費の負担によって破綻する若手が出てくる可能性だった。
シンガポール政府は、そのときすぐに新型コロナウイルス感染による医療費は、国が面倒みるという方針を発表してくれたからひと安心したけれど。

確かに医療崩壊を起こしてはいけない。
そのために現在、みんなが色んな我慢をしている。

でも善意で人が出来ないことをやろうとしてくれているのに、批判殺到でそれが撤回されるなんて残念な話だ。
確かに『お金は出すけれど、専門家の意見に基づいて有効に活用してくれ。』
という方がよかったかもしれないけれど。

様々な我慢を強いられ、強い不安とストレスを感じている現状。
でも中国の感染者数の増加はかなり少なくなってきている。
終わりがある戦いだということは忘れてはいけない。
この週末にかけて、世界各国で対策なども打たれていくだろう。
今はこの苦境を乗り越えていくために、一致団結して見えない敵と戦うべき時だと思う。
プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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