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【業界】運用業の報酬率について

ちょっと「うーん…」と思うことがあったので、運用の仕事の報酬率についてちょっと書いておきます。

日系の証券ディーラー…概ね40%前後。会社によって呼称は違うが、フルコミッションとか、(個人)事業主とかで基本給がなく、成功報酬のみだったり、損失発生時には自分で埋める義務があるような契約形態だった場合は50%以上の場合もありえる。ただし、正社員の場合は10%~30%というのは合ってるかな。でも正社員形態で、雇用をある程度保持しつつ、やらせている会社はどちらかといえば少ない(証券ディーリングやってる会社自体少なくなってるけど)

外資系のプロップ・トレーダー…これはかなり昔からひと桁という印象。ふた桁に乗っていたら「多いね」と感じる。ただし運用ポジションはとても大きい。が…ボルカー・ルールの影響もあって、表向き「プロップ」をやっているところはほとんどなくなっている。

ヘッジファンド…かつては「2%、20%(トゥー・トゥエンティ)」と言われていたが、今ではその水準を維持するのは難しくなっている。ただし高い実績を誇っているところとか、ごく一部の大手HFではかなり高いパフォーマンス・フィーを取っているところもある。ただそれはあくまでファンドから運用会社に支払われる報酬率であり、個々のPMへの支払いはそこから一定比率減額されるはず。

誤解なきよう。

【トレード】運用者の育成について

最近、色んな立場の方と話していて思う。

HFのマネージャーはアナリスト出自の方が多いし、企業の分析力によるアルファ創出というのは分かりやすいストーリーではあるのだろう。

一方で、優秀な企業分析ができるからといって、実際のポートフォリオ運用においては、リスク・マネジメント力、市場の変化に対する対応力、決断力といったトレーディング・ベースの能力も必要になってくる。

そういったものって一朝一夕には身につかないし、実際にリスクを背負い、PLと向き合い、失敗も繰り返しながらでしか得られないものだったりもする。

実際の運用経験がほとんどないアナリストが「リスク」を適切に判断できず、自身の企業分析にこだわるあまりに過度なリスクを取って大きな損失につなげてしまうこともありえる。

ロスカットや苦しい時の立て直し方、PLの状況によるリスクの取り方、実際にリスクを取りながら、市場の中でしか経験できないものがある。

次世代の運用者を育てていくうえで、企業分析力を磨くことと、ポートフォリオのマネジメント・スキルを磨くこと。この二つをどうバランスさせながら、学び、経験できる環境を作っていくか。

相場は常に変化する。
一定の期間が経過すれば、過去に経験のないような変化も生じてくる。ITの進化によるトレーディングや分析の在り方の変化、中央銀行による市場関与…etc。

過去にうまくいっていたマネージャーが、その後10年・20年と適応し続けられる保証はない。
新しい世代の育成と、過去に経験を積んだマネージャーがやりがいをもって向き合える次のステージをどう考えていくのか。

リサーチや分析を学べる環境と、トレーディングを経験できる環境の両立。
人を育てるうえでの今後の課題かな。

【雑感】混乱と対立

米中貿易摩擦
日韓問題
香港ではデモが激化し
イランは3隻目を拿捕
北朝鮮は連日のようにミサイルを発射し
米露関係も悪化しつつある
英国はハード・ブレグジットも辞さず

そうそう…
日本は2019年度過去最高の税収としておきながら、現場に混乱を巻き起こしかねない軽減税率で誤魔化しつつ、こんな環境下で消費増税しようとしてますね

まさに世界は混乱し、対立が際だっている。

「金融緩和」だけで市場を押し上げようとしていたこと事態に無理があったんだろうな。
トランプ大統領の外交手法は弱者にしか通じないやり方だと思うのだけれど。
事態がここまで悪化して、落としどころは見つけられるのだろうか?

トランプ大統領(それを生み出した不満や背景がある)誕生以来、世界はどんどん寛容さを失い、感情によって動き始めているように感じる。
本来ならば、国家のリーダー達が理性と寛容さをもって安定と平和に導くべきなのだろうけれど、現在のリーダー達の顔ぶれを見ると…。そしてそれを選んだのが世論。

「大丈夫だろう。」
その楽観が危険なのかもしれない。

戦争の愚だけは絶対に犯してはならない。
子供たちが幸せになれる未来を残す。
終戦記念日を前に、それだけは強く再認識しておきたい。

【ビジネス】東京出張

5月のローンチから、会社を外せない(休むことも出張することもできない)状態だったのが、スタッフを一人増員できたので、ようやく東京に出張し、昨朝にシンガポールに帰ってきました。

本当に沢山の方にお会いし、色々なお話もさせていただきました。
Breakfast meetingから始まり、都内をアッチコッチ移動しながら一日中ミーティング。
シンガポールより暑い…。

与えていただいた信頼や期待。
様々な方にサポートいただいていること。
とても力を与えてもらえるようなミーティングが多く、励みになりました。

で、今回は証券側のディーラー達に向けてのセミナーなんかもやらせてもらいました。
ヘッジファンドにおける運用と、投資信託や自己売買部門の運用との違い。
そこに求められるものがなんなのか。
ざっくりとそんなことを話させてもらいました。

目指すものは人それぞれ

個人投資家としての成功
ディーラーとして一流になること
ヘッジファンドなどの運用者になること
…etc

どれが正しいとか、どれがいいとか悪いとかじゃない。
それはあくまで個人の選択。

でも実績をしっかりと上げて、ある程度のキャパシティを許容できるストラテジーをしっかりと構築し、論理性・再現性のある運用ができるようならば、せっかく具体的な道筋が作れたのだから、ヘッジファンドのPMへの道は、ぜひ目指して欲しい道でもある。

ただ明らかにその夢や目標とは適合性のない運用手法に取り組んでしまっているともったいない。
HFのPMになりたいのに、キャパシティがあまりにも小さいであろう運用にこだわっていたり、極端なリスクの取り方をしてしまっていたり。

目指すものが何なのか?
そこで求められるものは何なのか?

それをしっかりと理解したうえで、今何をやるべきなのか?何を学ぶべきなのか?を間違えないようにして欲しいと思うのです。

運用の世界で生き残ることは簡単なことじゃない。
途中で退出せざるをえなくなる人の方が圧倒的に多い。
そんな厳しい世界で、生き残り、成功するためにはハードワークも必要になる。
それをやりきるためには夢やモチベーションって大事なものだから。

未経験者が運用の世界にチャレンジできる場所は限られている。
そこで経験を積み、スキルを磨き、実績を積み上げることで、その先にまた次のステージがある。
若い世代が、夢を持って取り組み、その夢を実現できる場所を作りたい、そう思ってこれまで色んなことに取り組んできた。
舞台とその道を作るところまではきた。
これからはその舞台をしっかりといいものにすること。そして育つ環境とその舞台ををより良くし、一人ひとりの可能性を最大化していくために、何ができるかを常に考え、出来ることをしっかりとやっていく。
自分ももっと沢山学び、経験もしながら、彼らのために出来る限り最適な道と環境を作ってやりたいなと、改めて思った東京出張でした。

2011年に話したことが実現するまで8年。
足りないもの、今の力量を自覚し、目指す夢や目標との乖離をしっかりと確認しながら、一歩ずつ前に進む。
苦しい時も必ずある。でも簡単にあきらめず、その信念をブラさずにしっかりと前を向いて挑戦し続けること。
若い運用者達に望むことと同じです。

このブログを読んで運用の道に進みたいと思ってくれたという若い運用者からのメッセージ。
前にもそういってくれた子がいました。
すごく励みになりました。
彼らのためにも頑張らなきゃと。

いつか同じ場所で働けるときが来るといいなと願っています。

AUMが初期目標としていた水準を超えたこともあり、9月10月については募集を一時停止することになりました。これはあくまでも次の段階へのスタートラインだと思っていますが、最優先するべきは投資家の皆様に最適なリターンをお返しするということにあるので、当面はポートフォリオの構築および運用環境の体制強化などにしっかり取り組みます。

【マーケット】情報の取り扱い

「MiFIDⅡ」
業界関係者なら聞いたことあるはず。


欧州の規制なんだけれど、欧州系に限らずグローバルで活動している金融機関はかなり影響を受けている。

その規制強化で話題になったのが、リサーチレポートなどのサービス。

端的にいえば、「ソフトダラー」として、ブローカレッジの手数料に含む形で、それまでなぁなぁでサービスを受けたりしていた慣習を禁止し、しっかりとそれぞれのサービスにプライシングして、顧客から徴求しなさいという規制。


規模の小さな運用会社だと、そんな費用は負担できないということになり、運用会社間でも受けられるサービスに格差が生まれやすくもなったと言われている。

ブローカー側のコンプライアンスなどの考え方によっても、どこからどこまで出していいかなど、微妙な違いも感じるけれど、結構大きな影響が出た。

それによって地域や会社によっては、従来のブローカレッジによる手数料とは分別して、リサーチレポートなどに一定の費用を支払う必要が出たりもしている。一方で、外部のリサーチ会社がサービス提供する動きが強まったりもしている。


ただそれらはすべて「有料」であるということを認識しておかないといけない。
それを何らかの形で入手して、たらい回しにすること自体が「有料で販売しているものの横流し」と取られてもおかしくはないし、非常に危険な行為と認識すべきだと思う。


元々、アナリストの人が自分の知恵で一生懸命書いたレポート。それに対する敬意は払うべきだと思う。


ひと昔前も、ある外資系でレポートを安易に垂れ流していた人が解雇されたと聞いたこともあった。
情報をくれる人にもリスクがあることは知っておいた方がいい。色々と教えてもらっているからお返しに…というぐらいの気持ちだったのかもしれないが、自分自身で書いたものや作ったものではないものを、正式に承認も得ずに外部に流すということを問題視されたのだろう。


我々は運用に当たって、自分たちではカバーしきれないところの情報であったり、考え方や見方を参考にしたいと思うところもある。
ニーズがある以上、それには価値が生まれる。

でもそれは、それに対して正当な対価を支払ったうえで、そのサービスを受けるべきだということ。
ルールを守り、節度をもって、その情報やレポートは取り扱われるべきなんだと思う。


ひと昔前とは色々と違ってきてる。
なぁなぁでやってはいけないことも増えてる。


なんかここんとこ、ちょっと不確かな情報が出回りやすくなってる気がする。
Twitterとかを通じて、情報の拡散スピードも影響度もかつてとは比べ物にならないほど大きくなっている。
ニュースや新聞などの有料サービスとして責任のある情報提供ではなく、あくまでも個人のフリーでの情報発信だからある程度質についてはしょうがないのかもしれない。もちろんそこには言論の自由もあるのだから。


でも聞いた話を確認もせずに流したり、安易に固有名詞を出したり、市場に影響を与えかねない情報を流したり。市場に関わる者として、情報の取り扱いについて、我々はもう少し慎重に考えないといけないのかなと思う。


もちろん自分も含めて…ね。

ちょっと色々と考えること、気になること、反省することがあったので。


プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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